PC Watchが2026年5月21日に報じたところによると、ロジクールは6月11日、ゲーミングブランド「ロジクールG」から有線ゲーミングキーボード「G512 X 75」(75%サイズ)と「G512 X 98」(98%サイズ)を発売する。直販価格はそれぞれ32,780円・36,080円(オープンプライス)。

アナログとメカニカルを同じ基板で混在させる「デュアルスワップ」

G512 Xシリーズ最大の特徴は、1台のキーボードでアナログスイッチとメカニカルスイッチを自由に混在できる「デュアルスワップ」機能だ。左手側の41キーが対象で、ゲームプレイに合わせて最適なスイッチ構成を自由に組み替えられる。「アナログかメカニカルか」という従来の二択を超えた設計思想は注目に値する。

搭載されるアナログスイッチには、ロジクールGとして初めてTMR(Tunnel Magnetoresistance:トンネル磁気抵抗)技術を採用。高解像度の位置検出と物理的な入力遅延の排除を実現したとしている。

アナログスイッチ使用時のアクチュエーションポイントは0.1〜4.0mmの範囲で個別設定が可能で、ラピッドトリガーにも対応。さらに1つのキーに2つのアクションを割り当てる「MULTIPOINT ACTION」と、逆方向同時入力の優先順位を設定できる「SOCD」機能も搭載する。MULTIPOINT ACTIONをより直感的に使えるよう、付属ワッシャー「SAPPリング」を装着すると、通常押下で1つ目のアクション、さらに強く押し込むと2つ目のアクションが発動する感触を実現できる仕組みだ。

ガスケットマウント+True 8Kでプロユース水準へ

本体構造には、ロジクールGブランドの有線キーボードとして初となるシリコン製ガスケットマウントを採用し、打鍵感の安定と静音性を両立。また、キースイッチの動作取得から処理・USBデータ転送まで8,000Hzで一貫処理する「True 8K」を搭載している。PC Watchによれば、True 8K搭載キーボードの日本上陸はG512 Xが初という。

主なスペックは以下のとおり:

モデル サイズ 直販価格 重量

G512 X 75 75% 32,780円 850g

G512 X 98 98% 36,080円 1,000g

メカニカルキースイッチはリニアとタクタイルの2種類で、市販サードパーティ製スイッチとの互換性も謳う。アナログスイッチについてもサードパーティ製との互換性があるとしているが、PC Watchは「すべて検証しているわけではない」と注記しており、互換性の確認は購入前に必要だ。

デュアルダイヤル(RGB輝度調整・音量調整)と手前の大型LIGHTBAR RGBライティングも装備し、配信者・ストリーマー向けの演出機能も充実している。専用パームレスト「Palmrest 75/98」は7月16日発売予定で、それぞれ6,490円・7,480円。本体色はブラック・ホワイトの2色、保証期間は1年・2年から選択できる。

日本市場での注目点

発売は2026年6月11日で、日本語配列のみの展開となる。競合製品としてはWooting 60HE/80HEやRazer Huntsman V3 Proといったアナログキーボードが挙げられるが、G512 Xはアナログ・メカニカル混在という独自路線での差別化を図っている。ロジクールブランドとG HUBソフトウェアによる管理の完成度を強みとしており、既存ロジクールユーザーにとっては移行ハードルが低い選択肢になり得る。

なお、付属するアナログスイッチは9個・SAPPリングは5個のみで、現時点では追加販売の予定はないとのこと。スイッチをフル活用してカスタマイズを深めたいユーザーには、この点が懸念材料になるかもしれない。

筆者の見解

アナログスイッチとメカニカルスイッチを同一キーボードで混在させる発想は、「1台で完結させる」という実用的な解法として筋が通っている。FPSと格闘ゲームを使い分けるヘビーゲーマーや、アナログ機能を試しつつメカニカルの安心感も手放したくないというユーザー層のニーズに応える製品コンセプトだ。

True 8Kポーリングレートの日本初上陸、ロジクールG初のガスケットマウント採用など、技術的な本気度は伝わる内容だ。一方で、32,780円という価格設定はハイエンド帯であり、デュアルスワップ機能を実際に活かせるかどうかがユーザー自身の使い方にかかっている。

「道のド真ん中を歩く」スタンスで見れば、アナログ一本かメカニカル一本かを潔く決める方がシンプルではある。ただ、それができない——あるいはしたくない——ユーザーに選択肢を与えることがG512 Xの価値であり、そのニーズが一定数存在するのも事実だろう。付属スイッチの追加販売が今後実現すれば、カスタマイズの幅はさらに広がる。ロジクールには引き続き追加オプションの拡充を期待したい。

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出典: この記事は ロジクール、アナログ/メカニカルを混在できるゲーミングキーボード「G512 X」 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。