Google I/O 2026において、Googleが主力プロダクト「Google Search」に対し「約30年で最大の刷新」と称する大規模アップデートを発表した。Tom’s GuideのSanuj Bhatia氏が詳細をレポートしており、AIエージェント、マルチモーダル入力、リアルタイムUI生成、カスタムミニアプリ作成など、検索体験そのものを根本から変える機能群が一挙に投入される。
SearchがAIプラットフォームへと変貌
Googleの直近の決算では、Google Searchのクエリ数が過去最高を記録し、事業の19%成長を牽引したと報告されている。今回の発表はその主力プロダクトをさらに大きく進化させるものだ。昨年のGoogle I/OでAI Modeが導入されたことに続き、今年はその一段上を行く機能群が公開された。
Tom’s Guideの報道では「単なる検索ボックスのリデザインをはるかに超えている」と評されており、会話型・マルチモーダル・プロアクティブという三つの軸で検索体験が大きく再定義される。
主な新機能
マルチモーダル入力の全面展開
テキストに限らず、画像・動画・ファイル、さらにはChromeのタブまでを組み合わせた複合的なクエリに対応する。クエリの複雑さに応じてインターフェース自体がダイナミックに展開し、AIによる提案をリアルタイムで表示するという。
自律AIエージェントによる24時間監視
今回の目玉機能の一つが「Search agents(検索エージェント)」だ。ユーザーが設定した条件に基づき、AIエージェントが24時間バックグラウンドで情報を監視し続け、変化があれば自動通知する仕組みだ。
Tom’s Guideの報道によれば、利用例として「特定の条件を満たす株価の動き」や「こだわり条件の賃貸物件の新着情報」などが紹介されている。GoogleがFlight検索で提供してきた価格追跡機能を「ほぼあらゆる繰り返し検索に拡張したイメージ」と説明されており、情報収集の自動化という観点で注目度が高い。
この機能は今夏、まず米国の「Google AI Pro」「Google AI Ultra」サブスクライバー向けに先行リリースされる予定だ。
リアルタイムUI生成(Agentic Coding in Search)
「Agentic Coding in Search」では、Gemini 3.5 FlashとGoogleの「Antigravity」システムを活用し、検索クエリに応じてカスタムの可視化・シミュレーション・ウィジェットをその場で生成する。
天体物理学に関する検索を行うと、通常の検索結果に加えてインタラクティブな可視化が生成され、フォローアップ質問に応じて動的に更新されるという例が示されている。この機能は今夏、全Googleユーザーへの展開が予定されている。
カスタムミニアプリ・ダッシュボードの作成
さらに、ユーザーが自分専用の「ミニアプリ」や「ダッシュボード」を検索体験の中で構築できる機能も追加される。天気・地図・食事プラン・レビュー・カレンダーなどを組み合わせたフィットネスダッシュボードや、結婚式準備・引越し管理といった長期プロジェクト支援ツールの例が紹介された。
日本市場での注目点
今回発表された機能の多くは今夏の米国先行リリースとなっており、日本への展開時期は現時点では明言されていない。Search agentsはGoogle AI ProおよびUltraのサブスクリプション(有料)が前提となる見通しで、日本での提供形態についても今後の情報を待つ必要がある。
ChatGPT SearchやPerplexity AIなど、検索体験を変えようとする競合サービスが日本でも存在感を増している中、Googleは今回の刷新によって、Searchを単なる「検索エンジン」から「情報管理エージェントプラットフォーム」へと再定義しようとする意志を明確に示した。
筆者の見解
今回の刷新で最も注目すべきは、Search agentsの「自律的なバックグラウンド動作」という設計思想だと思う。ユーザーが都度確認や操作をしなくても、設定した条件に基づいてAIが継続的に動き続けるアーキテクチャは、AIの本質的な価値——認知負荷の削減——を体現している。「目的を伝えたら自律的に動き続ける」設計こそが、AIエージェントの正しい方向性であり、その観点からGoogleの今回のアプローチは筋がいいと評価する。
ただし、ミニアプリ生成や汎用ダッシュボード構築については、実用性の評価はまだこれからだ。発表のインパクトは大きいが、筆者は常に「情報を追うよりも実際に使って成果を出す」スタンスを大切にしている。派手な機能が実際の生産性向上につながるかどうかは、リリース後の使いこなし次第だ。
Search agentsの日本展開が実現した際には、繰り返し検索していた情報を本当に自動化できるかどうか、実際に試してみたいと思う。
出典: この記事は Google Search just got the biggest makeover in nearly 30 years — here’s the upgrades の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。