PC Watchは2026年5月20日、GoogleがAIサブスクリプションに新プラン「Google AI Ultra 5x」を月額1万4,500円で追加したと報じた。既存の最上位プラン「Google AI Ultra」は「Ultra 20x」に改称の上で月額3万2,000円に値下げされ、Google AIサブスクは4段階の料金体系に再編された。
プラン体系の全体像
今回の改定後、Google AIサブスクリプションは以下の4段階となった。
プラン 月額 年払い
Google AI Plus 1,200円 1万2,000円
Google AI Pro 2,900円 2万9,000円
Google AI Ultra 5x(新設) 1万4,500円 不可
Google AI Ultra 20x(旧Ultra) 3万2,000円 —
これまでGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの間には約1万3,500円という大きな価格差が存在していた。今回の新プランはそのギャップを埋める中間層向けの位置付けとなる。
Ultra 5xで何が変わるか
PC Watchの報道によると、Google AI Ultra 5xはGoogle AI Proと比べてGeminiの利用制限が5倍に拡大するほか、以下の機能が新たに利用可能になるという。
主な追加機能:
- Deep Think(高度な推論モード)へのアクセス
- Nano Banana Pro モデルへのアクセス
- ストレージ20TB(Proの5TBから大幅拡張)
- 4K画像・動画アップスケーリング
- Google Flowクレジット:月1,000 → 1万クレジットへ10倍増
- Google Cloudクレジット:月10ドル → 40ドルへ増加
Ultra 20x(旧Ultra)との主な違いは、Gemini利用制限がProの5倍止まり(20xは20倍)、ストレージが20TB(20xは30TB)という点のみで、Deep ThinkアクセスやNano Banana Proといった上位機能の多くはUltra 5xでも利用できる。
なぜこの価格改定が注目されるか
AIサブスク市場全体で「中間層の空白」が問題視されてきた背景がある。月額数千円クラスのプランでは利用制限に頻繁に引っかかるが、数万円の最上位プランは個人や中小規模の開発者には手が届きにくい。
特に注目されるのは、Google Flowクレジットが月1万クレジットに増加する点だ。JulesやGoogle Antigravityといったエージェント機能を積極的に使いたい開発者層にとって、費用対効果の高い選択肢になりえる。
日本市場での注目点
今回の改定は日本でも同時適用されており、日本語の料金ページも更新済みとPC Watchは報じている。
重要な注意点として、Ultra 5xは月払いのみで年払いに非対応。年額換算すると17万4,000円となり、継続利用ではコスト計算が必要になる。
競合として比較されやすいのはOpenAI ChatGPT Pro(月額約2万8,000円前後)だろう。Ultra 5xはそれより安価でDeep Thinkに相当する高度推論へのアクセスを提供する。Google Workspace・YouTube Premium・Google Homeを束ねたエコシステム込みの価値をどう評価するかが、乗り換え判断の分岐点になる。
筆者の見解
Google AIサブスクが4段階に整理されたことで、ユーザーが自分の利用規模に合ったプランを選びやすくなったのは素直に評価できる。
一方で、気になるのは「Proの5倍」という表現の不透明さだ。Proの利用上限が具体的な数値で示されていない現状では、「実際に何回使えるのか」を自分で試すまでわからない。サブスクで月1万4,500円を払う判断をユーザーに求めるなら、上限値の明示はあってしかるべきだろう。
画像生成・動画アップスケーリングはGoogleが得意とする領域であり、Nano Banana Proへのアクセスが中間帯のプランで提供されることはクリエイター層には刺さるはずだ。エンジニア向けには、Jules(コーディングエージェント)やGoogle AIスタジオの利用枠拡大が実務でどれだけ差を生むかが、導入判断の核心になってくる。Googleが全サービスを束ねて提供するパッケージ力は本物だが、AIそのものの実力で選ばれる段階に達しているかどうかは、各ユーザーが自分のワークフローと照らし合わせて冷静に見極めたいところだ。
出典: この記事は Google AI Ultraに月額1万4,500円の新プラン。最上位は3万2,000円に値下げ の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。