PC Watchが2026年5月18日に報じたところによると、5月19日発売予定のオープンワールドレーシングゲーム「Forza Horizon 6」が、初回起動時のシェーダーコンパイルをスキップできる「Advanced Shader Delivery」に対応した。AMD製GPUを搭載するWindows 11 PCとXbox Insiderプログラムの組み合わせで、起動時間が約1分半から約4秒へと劇的に短縮されるという。
シェーダーコンパイルとは——PCゲーミングの長年の課題
シェーダーコンパイルとは、GPU上で映像描画を行うプログラム(シェーダー)を、実行時にGPUアーキテクチャ向けにコンパイルする処理だ。PS5やXbox Series Xといったコンソールと異なり、PC上のGPUは多種多様なアーキテクチャが混在するため、事前配布したコンパイル済みシェーダーがそのまま使えない。結果として、初回起動時や場面によってはゲームプレイ中にリアルタイムでコンパイルが走る。
この「ジャストインタイムコンパイル」が引き起こす問題は2つある。1つは初回起動時の長い待ち時間(数分に及ぶこともある)、もう1つはゲームプレイ中のカクつき(シェーダーコンパイルスタッター)だ。後者は特に、せっかくのゲーム体験を著しく損なう。
Advanced Shader Deliveryの仕組みと効果
MicrosoftのAdvanced Shader Deliveryは、この問題を根本から解決するアプローチを取る。仕組みはシンプルで、ゲーム本編と一緒にコンパイル済みシェーダーを配信するというものだ。GPU側でのリアルタイムコンパイルが不要になることで、起動ロード時間を最大90%短縮できるほか、プレイ中のカクつきも低減される。
PC Watchの報道によれば、Microsoftは5月15日に、これまでROG Xbox Allyシリーズに限定してきたAdvanced Shader Deliveryのパブリックプレビューを、AMD製ディスクリートGPU・統合GPU搭載のWindows 11 PCに拡大すると発表。Forza Horizon 6での発売日サポートも同時に実現している。
利用要件
項目 要件
OS Windows 11 バージョン24H2以降
GPU RDNA 3/3.5/4ベースのAMD製GPU
GPUドライバー Radeon Adrenalin 26.5.2以降
Xbox Gaming Services バージョン37.113.11003.0以降
Xbox Insider Hub PC Gaming Previewを選択
実測値
PC Watchの記事では、Ryzen 7 5800 + Radeon RX 7600構成での実測が紹介されている。通常約1分半かかっていた起動時間が約4秒にまで短縮。Advanced Shader Deliveryが有効になっている場合、起動ウィンドウに「プリコンパイル済みシェーダーがインストールされました」と表示される。
日本市場での注目点
Forza Horizon 6は5月19日に国内でも発売(Xbox Game Pass加入者はPlay Dayから利用可能)。Advanced Shader Deliveryの利用にはXbox Insiderへの参加が必要だが、PC Gaming Previewへの登録は無料だ。
対応GPUはRDNA 3/3.5/4世代のAMD製に限定されており、現行の人気モデルであるRadeon RX 7600・RX 7700・RX 7900シリーズ、最新のRadeon RX 9070 XTなどが対象となる。NVIDIAやIntel ArcのGPUは現時点では非対応だ。国内で購入しやすい対応製品としては、Radeon RX 9070 XT(実勢価格10〜12万円前後)、RX 7600(同4〜5万円前後)などが候補に挙がる。ROG Xbox Allyシリーズはすでに対応済みで、ポータブルゲーミングPCとしても選択肢になる。
筆者の見解
シェーダーコンパイルスタッターはPCゲーマーなら誰もが経験する問題であり、「コンソールに比べてPCゲームは起動が面倒」という印象の大きな原因の一つでもある。今回のAdvanced Shader Deliveryはその課題に正面から取り組む技術であり、素直に評価できる取り組みだ。
一方、現時点ではAMD GPUのみの対応という制限がある。PCゲーミング市場ではNVIDIAのシェアが依然として高く、「Windows PC全体のゲーム体験向上」を掲げるプラットフォームとして考えると、より多くのユーザーが恩恵を受けるためのロードマップを早期に示してほしいところだ。MicrosoftとAMDの長い協力関係が背景にあることは理解できるが、「Xbox PCゲーミング体験の底上げ」という目標はGPUベンダーを問わず実現できるはず——その力は間違いなくある。
それでも、発売日から本機能が利用できる状態で準備が整っていた点は評価したい。「後で対応します」ではなく、ローンチと同時に体験できる形にすること——これがXboxプラットフォームとしての信頼性につながる。RDNA 2世代以前や他社GPUへの拡大も含め、次のステップを期待したい。
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出典: この記事は シェーダーコンパイルの待ち時間なし。Forza Horizon 6とRadeonで実現 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。


