米テックメディア「Tom’s Guide」のフィットネスライター、ジェーン・マクガイア氏が、Apple Watch Series 11と2026年5月15日に発売されたばかりのGarmin Forerunner 170を対象に、11,000歩の歩数精度比較テストを実施した。その結果は、マクガイア氏自身も「驚いた」と述べるものだった。

Garmin Forerunner 170とは

Garmin Forerunner 170は、同社のエントリーラインに位置するランニングウォッチで、これまで上位モデルに限定されていた機能を手頃な価格で提供するモデルとして登場した。一方のApple Watch Series 11は昨年9月に発売済みで、高血圧アラートやスリープスコアなどの健康管理機能を備えた、iPhoneユーザー向けの定番スマートウォッチだ。

テスト方法と結果

Tom’s Guideでは、500円程度の手動カウンター(クリッカー)を用いて歩数を人力計測し、それを基準値として両ウォッチの測定精度を比較している。両ウォッチとも内蔵加速度センサーによる腕の振りで歩数を算出する仕組みだ。

なお、Apple Watch 11は標準機能として「ワークアウト中の歩数」を表示しないため、マクガイア氏はサードパーティアプリ「Pedometer+」を使って個別のワークアウトデータを取得した。

テストは2回の歩行に分けて実施され、結果は以下のとおりだった。

1回目(約6,700歩)

計測方法 歩数

手動カウンター 6,689歩

Apple Watch 11 6,769歩(+80歩)

Garmin Forerunner 170 6,674歩(-15歩)

2回目(約4,400歩)

計測方法 歩数

手動カウンター 4,424歩

Apple Watch 11 4,419歩(-5歩)

Garmin Forerunner 170 4,498歩(+74歩)

合計

計測方法 歩数 誤差

手動カウンター 11,113歩 —

Apple Watch 11 11,118歩 +5歩(誤差0.04%)

Garmin Forerunner 170 11,172歩 +59歩(誤差0.53%)

海外レビューのポイント

Tom’s Guideのレビューによると、トータルではApple Watch 11が誤差わずか5歩(0.04%)という驚異的な精度を記録し、Garmin Forerunner 170(誤差59歩・0.53%)を大きく上回った。マクガイア氏は「これまで同様のテストを何度も行ってきたが、Apple Watchがトップに立ったことはなかった」と明言しており、今回の結果が異例であることを強調している。

1回目のウォークではGarminのほうが基準値に近く、2回目でApple Watchが挽回する形になった。合計値で見ればApple Watchの圧勝だが、各ウォーク単体での精度はGarminが上回る場面もあり、一概にどちらが優秀とは言い切れない面もある。

また、Apple Watch標準の「ワークアウト中の歩数非表示」という仕様は、フィットネス用途で使う際に不便なポイントとしてマクガイア氏は指摘している。Garminはこうした点で歩数を運動ログとして素直に扱えるのが利点だ。

日本市場での注目点

両製品は日本でも正規販売されている。Apple Watch Series 11は59,800円〜(Appleストア)、Garmin Forerunner 170は国内でも2026年5月発売で、実勢価格は4万円台前半が見込まれる。

Garmin Forerunner 170は「エントリーモデル」と位置づけられながらも上位機種の機能を引き継いでいるとされており、ランニングを本格的に始めたい層にとってコストパフォーマンスが高い選択肢になりそうだ。Apple Watch 11はiPhoneとの連携・健康管理機能の幅広さが強みで、「スマートウォッチとして何でもこなしたい」ユーザーに向いている。

競合としてはGarmin Forerunner 265(より上位)やSuunto Race Sなども存在するが、Forerunner 170の価格帯での競合はApple Watch以外ではFitbit Charge 6あたりが挙げられる。歩数精度単体で比較するならば、今回のテストはApple Watchにとって好材料だ。

筆者の見解

今回のテスト結果で面白いのは、歩数カウントという「最も基礎的な」機能においてApple Watch 11が初めてGarminを上回った点だ。ウォッチの「賢さ」を巡る競争は久しくAIアシスタント連携や健康指標の多様化に向かっていたが、加速度センサーの精度向上という地道な改善が積み重なっていることが今回の数字に表れている。

Garmin Forerunner 170は発売4日目のウォッチだということも忘れてはいけない。ソフトウェアアップデートによる精度改善が今後どう進むかは引き続き注目すべきポイントだ。

Apple Watch 11の「ワークアウト中の歩数が標準表示されない」という仕様は、健康管理ツールとしては正直もったいない。歩数はシンプルにして重要な指標であり、サードパーティアプリを使わないと見られない設計はユーザー体験として改善の余地がある。エコシステムの完成度を誇るAppleだからこそ、こういった細部をすっきり整えてほしいというのが率直な感想だ。

どちらを選ぶかは使い方次第だが、iPhoneユーザーかつ健康管理全般を一元管理したいなら Apple Watch 11、ランニングや屋外アクティビティへの特化度を重視するならGarmin Forerunner 170という整理が依然として有効だろう。

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Apple Watch Series 11 (GPS Model) - 42mm Jet Black Aluminum Case and Black Sport Band - S/M

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出典: この記事は I walked 11,000 steps with the Apple Watch 11 and Garmin Forerunner 170 — and the results surprised me の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。