The Vergeが2026年5月15日に報じたところによると、Microsoftはタスクバーを画面の上下左右に移動できる機能と、スタートメニューのサイズを変更できる機能のテストを開始した。現在、Windows 11 InsidersのExperimentalチャンネルへの展開が進んでいる段階だ。

なぜこの変更が注目されるのか

Windows 11は2021年のリリース当初から「タスクバーを上部や横に移動できない」という制限が大きな批判を浴びてきた。Windows 10では当たり前だったカスタマイズ機能の削除が、長年のWindowsユーザーの不満に火をつけ、そのしこりは5年近く続いていた。

Microsoftのデザインディレクター、Diego Baca氏は今回のブログ投稿で「着実で目に見える前進を通じて信頼を勝ち取ることを語ってきた。スタートとタスクバーこそ、あなたがPCの前に座るたびに、その信頼が試される場所だ」と述べており、同社がこの機能を「信頼回復」の重要施策と位置づけているのは明らかだ。

The Vergeが伝える機能の詳細

The Verge(記者:Emma Roth)の報道によると、今回のアップデートには以下の機能が含まれている。

タスクバーのカスタマイズ

  • 画面の下・上・左・右のいずれかに配置可能
  • タスクバー内アイコンの配置(左寄せ/中央寄せ等)を変更可能
  • スモールサイズのタスクバーを選択可能(小型ディスプレイのデバイスに有用)

スタートメニューの強化

  • 「スモール」または「ラージ」のサイズを選択可能
  • 「ピン留め済み」「おすすめ」「すべて」の各セクションを表示/非表示に切り替えるトグルが追加予定
  • 「おすすめ」セクションが「最近」に改名(最近インストールしたアプリや最近使用したファイルをより正確に反映するため)
  • スタートメニューから名前とプロフィール写真を非表示にするオプション(画面共有やプレゼン時に有用)

なお、タスクバーの移動機能はMicrosoftが2026年3月に予告していたもので、今回のInsiderビルドで初めて実際のテストが始まった段階だ。正式リリースは「今後数週間以内にExperimentalチャンネルへ展開」としており、一般向け提供の時期は未定。

日本市場での注目点

タスクバーのカスタマイズは、縦型・横型を問わず多様なディスプレイ配置を使う日本のビジネスユーザーやクリエイターにとって待望の機能だ。縦長のポートレートモニターを使うユーザーや、マルチディスプレイ環境でワークスペースを細かく整理したいユーザーへの恩恵は大きい。

また、スタートメニューから個人情報(名前・プロフィール画像)を非表示にできる機能は、日本のビジネス現場でも実用的な需要に応えるものだ。会議室の共用PCから急きょ資料を表示する場面や、デモンストレーション中に余計な個人情報を映したくないシーンで即戦力となるだろう。

現時点ではWindows 11 Insidersのみが対象で、日本語版を含む一般向け提供の詳細は今後のInsiderビルドの進捗を待つ必要がある。

筆者の見解

率直に言えば、タスクバーの移動はWindows 10から退行していた機能であり、「新機能」というより「修正」に近い。それが2026年になってようやくInsiderテストという形で戻ってくることに、もどかしさを感じる読者も少なくないだろう。

ただ、Microsoft自身が「信頼を勝ち取る」という言葉を掲げて取り組んでいることは素直に評価したい。スタートメニューのセクション表示切り替えや「おすすめ」→「最近」への改名など、ユーザーの声に耳を傾けて着実に改善している姿勢は伝わってくる。

タスクバーとスタートメニューはWindowsの顔であり、毎日何十回と触れる部分だ。ここが使いやすくなることは体験全体の底上げにつながる。この地道な改善を継続し、かつての「Windowsはやっぱり使いやすい」という信頼を少しずつ取り戻してほしいというのが、長年Windowsを見てきた立場からの偽らざる期待だ。


出典: この記事は Windows 11 tests an adjustable taskbar and resizable Start menu の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。