AMDの上席副社長兼コンピューティング&グラフィックス部門ゼネラルマネージャー、Jack Huynh氏が、機械学習アップスケーリング技術「FSR 4.1」をRDNA 3世代のRadeon RX 7000シリーズへ2026年7月に展開し、さらにRDNA 2世代のRX 6000シリーズへは2027年初頭に対応させる計画を明らかにした。米テックメディアTom’s GuideのTony Polanco氏がVideoCardzの報道を引用しながらこのニュースを詳報している。
なぜこの発表が「huge(重大)」なのか
FSR 4.1は、NvidiaのDLSSに対抗するAMDのアップスケーリング技術「FidelityFX Super Resolution」の最新版だ。これまで最新のRDNA 4アーキテクチャを搭載するRadeon RX 9000シリーズ専用として提供されてきたが、今回の展開によって2〜3世代前のGPUユーザーも恩恵を受けられる。
機械学習ベースのアップスケーリングは、低〜中級グラフィックカードが実力以上のパフォーマンスを発揮できる仕組みで、フレームレートの向上と映像の鮮明化を同時に実現する。新GPUへの買い替えを促すのではなく、すでに手元にあるハードウェアの価値をソフトウェアで高める——このアプローチが今回の発表の最大のポイントだ。
海外レビューのポイント
Tom’s GuideのPolanco氏は、今回の発表について以下の点を評価・指摘している。
注目ポイント
- 7月のアップデート時点で300以上のゲームに対応予定
- RDNA 3(RX 7000)だけでなく、RDNA 2(RX 6000)ユーザーも2027年初頭に対応予定
- ゲーミングハンドヘルドのASUS ROG AllyやLenovo Legion Go 2(いずれもRDNA 3搭載)への恩恵も期待される
現時点での不明点
- 7月の正確な配信日程は未発表
- RX 6000シリーズの詳細な対応モデルリストは非公開
- RDNA 4最適化版と同等の品質になるかは実際の配信後の検証待ち
Polanco氏は「NvidiaのDLSSは依然としてAIアップスケーリングの王者だが、AMDは確実に追いついてきており、立派な成果を上げている」と評価しつつ、「FSR 4が旧世代GPUに限定されていたのはずっと惜しかった」と述べている。
日本市場での注目点
対象ユーザー層は広い
Radeon RX 7000シリーズ(RDNA 3)およびRX 6000シリーズ(RDNA 2)は、コストパフォーマンス重視の日本市場でも広く普及しているGPU世代だ。特にゲーミングPC市場の中核を担う価格帯に多く分布しており、今回の発表は相当数の既存ユーザーに直接の恩恵をもたらす。
ゲーミングハンドヘルドへの波及
日本でも人気のASUS ROG AllyシリーズはRDNA 3を搭載しており、7月のFSR 4.1対応が実現すればハンドヘルドゲーミング体験の底上げが期待できる。携帯ゲーム機としての制約上、GPU性能に余裕が出にくいハンドヘルドこそ、アップスケーリング技術の恩恵が最も大きいセグメントともいえる。
競合NvidiaとのGPU選択への影響
NvidiaはDLSS 3(フレーム生成含む)をGeForce RTX 2000番台以降に展開し、レガシーサポートでも一定の優位を保ってきた。今回AMDがこのギャップを積極的に縮めてきたことで、次のGPU買い替えサイクルにおける選択肢としてRadeonシリーズが改めて評価される可能性がある。
筆者の見解
今回のAMDの方針は、ユーザーへの誠実さという観点で評価できる。新世代ハードへの買い替えを促すのではなく、手元のGPUの価値をソフトウェアアップデートで高める——これはPCゲーマーの現実に即したアプローチだ。ゲーミングGPUの買い替えサイクルは長くなる傾向にあり、RX 7000やRX 6000をまだまだ使い続けたいユーザーにとって、このニュースは純粋に朗報と受け取れる。
ただし、「FSR 4.1対応」とうたわれていても、最新RDNA 4に最適化された品質と完全に同等になるかは、7月の実配信後に実測レビューで検証されるまでわからない。「対応している」と「最大限に恩恵を受けられる」の間には差がある場合も多い。アップデートリリース後の具体的なベンチマーク比較を注視したい。
関連製品リンク
PowerColor Hellhound AMD Radeon RX 7800 XT 16GB GDDR6 Graphics Card
上記はAmazon.co.jpへのリンクです。記事執筆時点の情報であり、価格・在庫は変動する場合があります。
出典: この記事は AMD is bringing FSR 4.1 upscaling to older Radeon RX GPUs — this is huge の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。

