PC Watchの宇都宮 充氏が2026年5月14日に報じたところによると、Microsoftは5月12日にGitHubで、WinUI 3フレームワークを用いたWindowsパフォーマンス向上の取り組みを公開した。3月に発表したWindows 11のUI・性能改善計画の一環として、エクスプローラーの起動時間において具体的な改善数値が初めて明らかになった。

なぜWinUI 3移行が重要なのか

Windowsは長年、Win32をはじめとする旧来のUIフレームワークを組み合わせて動作してきた。WinUI 3はその後継として位置づけられるモダンなフレームワークであり、滑らかなアニメーション、高DPIスケーリング対応、そして効率的なレンダリングを実現する設計が特徴だ。

Microsoftは現在、Windowsのコアエクスペリエンス全体をWinUI 3へ段階的に移行しており、今回はその中でも「起動時間の短縮」に焦点を当てた成果が示された。

改善の具体的な数値

PC Watchの報道によると、エクスプローラーの起動においてWinUI 3が担当する部分で、以下の改善が確認されたという。

  • メモリアロケーション:41%削減
  • 一時的なアロケーション:63%削減
  • 関数呼び出し:45%削減
  • WinUIコードの実行時間:25%短縮

特にメモリアロケーションの大幅な削減は、ガベージコレクションの頻度低下やメモリ使用効率の向上に直結する。「起動が速くなった」と体感しやすい類の改善だ。

これらの改善はWinUI 3のメインブランチのほか、WinAppSDK 2.xにも反映される予定とされている。ただし、互換性に影響する変更を含む可能性があるため、現時点ではアプリ側のオプトインが必要。将来的にはデフォルトで有効なオプトアウト方式に移行する計画だという。

日本市場での注目点

この改善はWindows 11のシステムアップデートを通じて日本ユーザーにも届く見込みだ。エクスプローラーは業務でも個人用途でも毎日使うツールであり、起動速度の改善は地味ながら確実に生産性に寄与する。

WinAppSDK 2.xへの反映が進めば、サードパーティのWindowsアプリ開発者にも恩恵が広がる可能性がある。日本のSIやソフトウェアベンダーは、互換性への影響を含むオプトイン要件を早めに把握しておきたいところだ。

Windows 11 Homeは約1.8万円前後(DSP版)、Windows 11 Professionalは約3.5万円前後(DSP版)で国内でも入手可能。既存ユーザーはアップデートで恩恵を受けられる。

筆者の見解

Microsoftがこうした具体的な数値とともにパフォーマンス改善を公開したことは、素直に評価したい。メモリアロケーション41%削減、関数呼び出し45%削減——これだけ踏み込んだ数字を出せるのは、エンジニアリングレベルでの真剣な取り組みの証左だ。

WinUI 3への移行はWindowsの技術基盤を近代化する上で不可欠な作業であり、その成果をこうした形で可視化するのは歓迎すべき姿勢だ。Microsoftにはこういった堅実な技術投資を今後も続けてほしい——それこそがWindowsというプラットフォームが長年にわたってユーザーの信頼を獲得してきた理由でもある。

オプトイン→オプトアウトへの段階的な移行計画も、互換性を大切にするMicrosoftらしいアプローチで、むしろ好ましい。こうした地道な積み重ねが「Windowsは速い」という評価につながっていくことを期待したい。

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出典: この記事は Windows 11のエクスプローラー高速化へ。WinUI 3で処理時間を25%短縮 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。