フランスの健康デバイスメーカーWithingsが、2026年1月のCESでスマート体重計の新世代モデル「Body Scan 2」を発表した。同社プレスリリースによると、2026年Q2(4〜6月)に**$599.95**での発売を予定しており、「世界初の科学的根拠に基づくロンジェビティステーション」として訴求している。CES Innovation Awardの受賞モデルでもある。

なぜ注目なのか

スマート体重計は「体重と体脂肪率を測るもの」という位置づけが長らく続いていたが、Body Scan 2はその概念を根本から刷新しようとしている。Withings創業者のEric Carreel氏は「体重計は両手・両足・姿勢で全身に触れる唯一の瞬間であり、ウェアラブルが数週間かけて収集するより多くのバイオマーカーを90秒で捉えられる」と述べており、家庭用デバイスでの予防医療に本格参入する狙いが明確だ。

計測できる主なバイオマーカー

Withingsの発表によると、Body Scan 2は以下の技術を組み合わせた「60以上のバイオマーカー」を90秒で計測する:

  • インピーダンス心電図(ICG)+6誘導ECG: 心臓のポンプ能力(心拍出効率・心臓年齢)と電気的活動(不整脈検出など)を同時評価。スケールへのICG搭載は世界初とのこと
  • 高血圧リスク通知: カフなしで動脈性高血圧のリスクを推定するAIモデル(スケールへの搭載は世界初と主張)。米国では成人の約半数が高血圧とされる中、無自覚のリスクを可視化する
  • 動脈弾性・血管年齢: 動脈硬度を評価し「血管年齢」を算出
  • 超高周波バイオインピーダンス分光(BIS): 細胞レベルの代謝効率・血糖調節の評価に応用。従来の体組成計より精細な分析が可能とされる

ドイツ抗加齢医学会科学諮問委員会のThomas Platzer博士は、同社発表の中で「心機能・動脈硬化・細胞活性・代謝活動を縦断的・統合的に計測できることは、臨床研究外では不可能だった早期発見の水準をもたらす」とコメントしている。

日本市場での注目点

現時点では日本での公式発売・価格は未発表。$599.95という価格設定は、為替・輸入コストを加味すると10万円前後になる可能性があり、一般消費者向けというよりは健康意識の高いビジネスパーソンや医療・健康管理に関心の深いユーザー層がターゲットになりそうだ。

競合としては、オムロンの上位体組成計(HBF-702Tなど)や、Withingsの前世代機「Body Scan」(日本では未発売が続いた)が参考になる。ただしICGや6誘導ECG搭載という仕様は現時点で国内市場に直接競合する製品はなく、医療機器との差別化(あくまで「ウェルネスデバイス」)が認可面でのカギになるだろう。

Parallel importやWithings公式サイトからの個人輸入という選択肢はあるが、医療的な利用目的でなければ、まず日本発売のアナウンスを待つのが現実的だ。

筆者の見解

「予防医療のためのデータ収集を毎朝の体重測定に組み込む」という発想は、実践重視の観点から見て非常に筋が良い。継続率が問題になりやすいヘルスケアデバイスの中で、「乗るだけ」という動作コストゼロのトリガーは再現性が高い。情報を追い続けることより、毎日の習慣に紐付いた仕組みが成果を生む——という自分の考えにも合致する。

気になるのは、60超のバイオマーカーというデータの洪水をどう「行動につなげるか」という点だ。数値が増えれば増えるほど、解釈コストも増す。同社のアプリが「測定値を見て終わり」ではなく、行動変容まで導けるかどうかが製品の本当の価値を決める。$599.95という価格を正当化できるかは、ハードウェアではなくソフトウェアとAI分析の精度次第と言ってもいい。

また、ICGや高血圧リスク通知など「臨床グレード」を標榜する計測項目については、各国の医療機器規制への適合状況が日本市場参入の大きなハードルになる。CESでの発表から日本上陸まで時間がかかるとすれば、それが主な理由になるだろう。ぜひ正規参入を果たして、日本の予防医療文化を一歩前に進めてほしい。

関連製品リンク

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出典: この記事は Withings Redefines Preventive Health with Body Scan 2, the World’s First Science-Backed Longevity Station の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。