ヤフオクに出品されていたジャンクDDR5メモリが、チップを切断して確認したところ「ただの基板」だったという衝撃的な報告が、Xユーザーのいうく TAKI(@taki_pc_1115)氏によって2026年5月10日に投稿された。PC Watchはこの投稿を取り上げ、メモリ価格が高止まりする現状において、中古・ジャンク市場での偽物流通への警戒を呼びかけている。
内部はプラスチックと基板だけ――偽DDR5メモリの実態
PC Watchの報告によれば、TAKI氏の友人がヤフオクで購入したジャンクのDDR5メモリは、外見こそ通常のDIMMモジュールに見えた。しかし搭載チップに不審な点があったため、実際に切断して確認したところ、チップの中身はDRAMダイが一切存在しない空の基板であることが判明した。実際のメモリセルを持たず、見た目だけを模倣した「まがい物」だったのだ。
商品説明には「パーツは故障している可能性が高いです」と記載されていたが、PC Watchは「メモリですらなかった」と断言している。
偽物を見抜く手がかり:三重の矛盾
TAKI氏の投稿で特に注目されたのは、偽造の「雑さ」だ。
- ラベルはSamsung製を偽装しているにもかかわらず
- 型番はMicron(MT)系の刻印
- 実際にはSK Hynixチップを模したものが搭載
「SamsungラベルなのにMicron型番でSK Hynixチップ」という三重の矛盾が存在する。ラベル・チップ型番・チップ実物の整合性を確認することが、偽物回避の最低ラインとなる。
法的な問題
PC Watchの記事では、「メモリと称して単なる基板を販売する行為は、民法の契約不適合責任もしくは詐欺罪に該当する可能性がある」と指摘している。ジャンク品に「ノークレーム・ノーリターン」と記載されていても、商品自体が存在しないに等しい状態であれば、法的保護の余地があると考えられる。
日本市場での注目点
メモリ高騰が偽物流通を後押し
2025年後半からDDR5の市場価格は上昇傾向にあり、「少しでも安く入手したい」というユーザー心理が生まれやすい。こうした状況が、ヤフオク・メルカリなどのフリマ・オークション系プラットフォームでの偽物流通を後押ししている。
2026年5月現在、DDR5-5200 16GB×2枚(32GB)の正規品は国内量販店で概ね1万5千〜2万円前後。これを大幅に下回る価格での「ジャンク出品」は、リスクが極めて高いと判断すべきだ。
信頼できる購入先の選択
- Amazon.co.jp・大手量販店: メーカー保証付きで安心
- パソコン工房・ドスパラ等専門店: 動作確認済み中古品あり
- フリマ・オークション: 出品者の評価・過去取引を慎重に確認。動作未確認のメモリは特にリスクが高い
筆者の見解
率直に言う。「ジャンクを安く買って自分で修理・活用する」という発想は決して悪くない。ただ、今回の件は「直せる・直せない」以前の問題だ。そもそもメモリではなかったのだから、どれだけ腕のあるユーザーでも手の出しようがない。
メモリ高騰という状況は、こうした偽物が流通しやすい環境を生み出す。「ダメ元で試してみよう」という判断が、単に損をするだけでなく、詐欺的商品の流通を結果的に支える側面もある。
「道のド真ん中を歩く」という観点からすれば、メモリは正規流通品を正規ルートで購入する、これが大原則だ。多少高くても、メーカー保証があり、万が一の際に対応できる購入先を選ぶことが、長期的には最もコスト効率がよい。
過去に偽RTX 4090が流通した「4090の悲劇」と同様の問題が、DDR5でも現実に起きている。ラベルとチップ型番の整合性を自力で検証できないなら、中古メモリの購入は正規ルートに限るべきだ。
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出典: この記事は 【やじうまPC Watch】メモリ高騰時代、たとえ「ジャンク」であっても一筋の光に期待するな? の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。

