Appleが次期OSでSafariに大幅な利便性向上をもたらす可能性が浮上した。Engadgetが2026年5月10日に伝えたところによると、Bloomberg記者のMark Gurman氏が「SafariにOrganize Tabsという新機能が追加される」と報じている。

Organize Tabsとは何か

Gurman氏の報道によれば、「Organize Tabs」はiOS 27・iPadOS 27・macOS 27で初登場する予定の機能で、開いているSafariタブを自動的にグループ化する。ユーザーは自動整理と手動整理を選択できるため、従来のタブ管理フローを維持したいユーザーにも配慮された設計になっているという。

注目すべきは、Appleがこの機能に「Apple Intelligence」ラベルを付けない方針だと報じられている点だ。何らかの形でAIが活用されているにもかかわらず、あえてAI機能として前面に押し出さない姿勢は、Appleが「見えないAI」戦略を継続していることを示唆する。

2021年のタブグループから続く進化

この機能は、Safari 15(2021年)で導入された「タブグループ」の延長線上に位置づけられる。タブグループは手動でグループを作成・整理する機能だったが、Organize Tabsによってそのプロセスが自動化されるかたちになる。

Gurman氏によれば、この機能の初お披露目はWWDC26(2026年6月8日開幕)になる見込みだ。

海外レビューのポイント——Chromeには2年遅れ

EngadgetのJackson Chen記者は、Googleが2024年1月にChromeへ同様の機能「Organize Similar Tabs」をジェネレーティブAI機能として実装済みであることを指摘している。Appleはかねてよりライバルと比較してAI関連機能の追加が遅いと評されており、今回もChromeから約2年遅れとなる。

とはいえ、Appleの特徴としてエコシステム全体での一体感のある体験が挙げられる。Mac・iPhone・iPadすべてで同期された状態でタブ整理が動作することへの期待感は大きい。

日本市場での注目点

iOS 27・macOS 27は2026年秋に正式リリースが見込まれており、日本でも同時期にアップデートとして無償提供される予定だ。Safariは国内でもiPhone・Macユーザーを中心に広く利用されており、特にタブを大量に開きっぱなしにするユーザー層には恩恵が大きい。

競合として意識すべきはGoogle ChromeとMicrosoft Edgeだ。Edgeも同様のタブ整理支援機能を実装しており、Appleがどこまで使い勝手で差別化できるかが焦点になる。なお、Apple Intelligenceの国内展開状況が依然として限定的な点は考慮が必要で、Organize Tabs自体はAIラベル非付与とはいえ、同機能がどのOSバージョン・言語環境で動作するかは正式発表を待ちたい。

筆者の見解

Appleが「Apple Intelligence」ブランドを冠さずにAI的な機能を実装しようとしている点は興味深い。使い勝手の改善と、AIラベルへの慎重な姿勢を両立させようとするバランス感覚は、Appleらしいアプローチといえる。

ただし、Chromeが2024年1月に実装した機能を2026年秋に出してくる時間軸は、率直に言って遅い。タブ整理という「地味だが確実に生産性を上げる」領域でChromeに先行を許したことは、同種のユーザーをEdgeやChromeに引き止める要因になってきた可能性がある。

一方で、Appleの強みはエコシステムの深い統合にある。MacとiPhoneでタブ状態が完全に同期された状態で自動整理が働くなら、単体機能の比較では測れない価値が生まれる。WWDC26での詳細発表を見て、その統合度合いを判断したい。

ブラウザのタブ管理は、情報洪水の時代における「認知負荷をいかに下げるか」という問いに直結する。AIがその整理を担う方向性は正しく、どのプラットフォームがその体験を最もスムーズに提供できるかの競争はまだ始まったばかりだ。


出典: この記事は Safari’s latest trick could be automatically organizing your tabs into groups の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。