米テクノロジーメディア Engadget のSteve Dent記者が5月8日に報じたところによると、ソニーグループのゲーム部門が発表した2025年度第4四半期(2026年1〜3月)決算で、PS5の販売台数が前年同期比46%減の150万台にとどまったことが明らかになった。原因として挙げられているのはメモリ不足による相次ぐ値上げで、コンソールゲーム市場における部材調達リスクの深刻さを改めて浮き彫りにしている。

メモリ不足が引き起こした連鎖的な値上げ

Engadgetの報道によれば、ソニーは1年足らずの間にPS5本体価格を2度引き上げた。2026年3月の値上げを経て、米国での標準モデル価格は650ドルに達しており、1年前から150ドル高い水準だ。2020年に発売されたコンソールとして、これは異例の高価格帯と言わざるを得ない。

Steve Dent記者は「もうすぐ発売から6年を迎えようとしているコンソールの価格としては到底手が届きやすいとは言えない」と指摘している。ソニー側も今後の見通しについて慎重で、2026年度のPS5ハードウェア販売について「合理的な価格で調達できるメモリ量に基づいて計画する」と述べており、安定した供給の見通しが立っていないことを示唆した。

通期では増収増益も、来期は減収予測

2025年度通期で見れば、ゲーム部門の売上は4兆6,900億円(約299億ドル)と前年から微増、営業利益はPlayStation Networkの好調などにより12%増の4,633億円(約29.5億ドル)を達成した。ただし来期(2026年度)の見通しは厳しく、売上が6%減少すると予測している。

一方でEngadgetは「プラス材料もある」と報じている。2025年度にBungie社のDestiny 2不振による多額の減損損失を計上したが、来期はこの負担がなくなる。さらにGTA VIの11月発売が見込まれており、これが起爆剤となって利益が30%増になると見られている。

初めて認められたPS6の存在——開発費が利益を圧迫

Steve Dent記者が注目点として挙げているのが、今回の決算発表でソニーが事実上PS6の開発を初めて認めた点だ。「次世代プラットフォームへの投資増加を織り込んでいる」という表現で来期の営業利益が実質横ばいになることを説明しており、PS6の開発コストが利益に影を落としていることを示唆している。

日本市場での注目点

日本でもPS5は同様の値上げ圧力を受けており、標準モデルは2025年以降の価格改定を経て7万円台後半の水準に達している。発売当初の4〜5万円台から大幅な値上がりであり、ライトユーザー層の購入障壁は相当高まっている。

比較として興味深いのが任天堂の動きだ。Engadgetの記事でも言及されているように、2025年6月に発売されたNintendo Switch 2は任天堂史上最速で売れたコンソールとなっており、老朽化したハードを新モデルで刷新した成功例として対照的に映る。

国内でPS5の購入を検討している場合は、PS6の発表タイミングを見極めてから判断するのが賢明だろう。ソニーがPS6を正式発表した際には、PS5の値下げや生産終了の動きが出る可能性が高い。

筆者の見解

メモリ不足という外的要因があるにしても、発売から6年が経過したハードウェアが650ドルまで値上がりしてしまう構造は、プラットフォームビジネスの脆弱性を露呈している。コンソールゲーム機はもともと「本体は薄利でソフトとサービスで稼ぐ」モデルで成立してきたが、部材コストの高騰がその前提を崩しつつある。

PS6の開発コストが既に利益を圧迫しているという開示は、正直に言えば「あと何年待てばいいのか」というユーザーの疑問を深めるだけだ。任天堂がSwitch 2で鮮やかな世代交代を実現した直後だけに、ソニーの現状は「もったいない」という印象が拭えない。PlayStation IPとPlayStation Networkというエコシステムは強力な資産であり、それを活かせる環境を整備する力はソニーにある。GTA VIの追い風を上手く活用しつつ、PS6への移行シナリオを早期に市場へ示すことが、今のソニーに求められているのではないだろうか。

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出典: この記事は Sony PS5 sales fall off a cliff amid memory shortages の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。