Engadgetが2026年5月10日に報じたところによると、Appleの次期macOS 27では新デザイン言語「Liquid Glass」の「slight redesign(小規模な再設計)」が予定されているという。情報源はBloombergのMark Gurman記者で、一部にあった完全撤廃を求める声をよそに、AppleはLiquid Glassを維持しつつ改良を加える方針であることが明らかになった。正式発表はWWDC 2026(6月8日開幕)で行われる見通しだ。

なぜこの動きが注目されるか

Liquid GlassはAppleが2025年に導入した大規模なUI刷新で、ガラス様の透過表現を全面採用した意欲的なデザイン言語だった。しかしリリース後からテキストの可読性低下、アプリ間の見た目の一貫性のなさ、デスクトップやノートPCの大画面への不自然な適用といった問題が相次いで報告されている。

Gurman氏がEngadget経由で伝えた核心的な指摘は、「Liquid GlassはOLEDディスプレイを念頭に設計された」という点だ。iPhoneの有機ELパネルでは美しく表現できる透過エフェクトが、現行のMacに多いLCDパネル上では意図しないシャドウや透明度の問題として現れてしまっている——これが根本的な原因だという。

Gurman報道の主なポイント

Engadgetが伝えたGurman氏の報告によると、macOS 27での変更は以下を中心に行われる予定だ。

  • シャドウと透明度の問題を修正: LCDパネル環境での表示崩れに直接対処
  • 文字可読性の向上: リストや文字量の多い画面でのLiquid Glass表現を調整
  • デザインチームの当初意図に近い仕上がりへ: Gurman氏は「Appleのデザインチームが最初から意図していた外観を実現するもの」と説明しており、現行の問題は「ソフトウェアエンジニアリングチームの実装が完全に仕上がっていなかったことが原因」と位置づけている

なお先行する形で、iOS 26.1・iPadOS 26.1・macOS 26.1では既にインターフェースをより不透明にする「フロスト」オプションが追加されており、今回のmacOS 27での改良はその延長線上にある取り組みとなる。

ハードウェア面では、今年中に登場が期待されるOLEDタッチスクリーン搭載MacBookが実現すれば、Liquid GlassはOLEDのメリットを活かした「本来の姿」で表示されるとも伝えられている。

日本市場での注目点

macOS 27の正式発表はWWDC 2026(6月8日)で行われる見通しで、日本でも同時期に詳細が明らかになるはずだ。現行macOS 26でLiquid Glassの視認性に不満を感じているユーザーは、このアップデートを待つ価値がある。

OLEDタッチスクリーン搭載MacBookについては、日本での発売時期や価格は現時点で未公開だが、実現すればMacのUI体験が根本から変わる可能性がある。注意しておきたいのは、LCDモデルを使い続けるユーザーとOLEDモデルに移行するユーザーとでは、同じmacOSでも視覚体験が大きく異なるという新たな状況が生まれる点だ。Liquid Glassの「完成形」をフルに享受するには、ハードウェアの世代交代も視野に入れておく必要があるかもしれない。

筆者の見解

Liquid Glassをめぐる一連の流れは、ソフトウェアと対応ハードウェアの整合性がいかに重要かを示す典型例だ。OLED前提で設計されたUIをLCDが主力のプラットフォームに投入した結果、意図していなかった見た目の問題が生じた——この事実をApple自身が「実装が完全に仕上がっていなかった」という形で事実上認めていることは、素直に受け止めるべき情報だ。

Gurman氏の「デザインチームが本来意図していた姿」という表現が興味深い。つまり現在のLiquid Glassは、設計者の理想にまだ届いていない状態ということになる。macOS 27での改良と、OLEDタッチスクリーンMacBookの組み合わせによって初めて、Liquid Glassは構想通りの「完成形」に近づくのかもしれない。

実務でMacを日常的に使う立場からすると、デザイン言語の先進性よりも読みやすさ・使いやすさの方が優先度が高い。その意味でmacOS 27での改良は「当然の軌道修正」であり、歓迎すべき変化だ。Appleにはこれからも大胆なデザイン変革を続けてほしいが、ハードウェアとソフトウェアの足並みをそろえた上で「本当に完成したもの」を届けることへの期待を、今回の件で改めて感じた。


出典: この記事は Liquid Glass tweaks are reportedly coming in the next macOS の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。