LGエレクトロニクスは2025年12月16日、CES 2026に向けた新製品として、初のフラッグシップRGB TV「LG Micro RGB evo(モデル:MRGB95)」を公式ニュースルームで発表した。同製品はCES 2026イノベーションアワードを受賞(100インチMRGB95Bモデル)しており、MiniLEDの次を担う技術として注目を集めている。

なぜ「Micro RGB evo」は注目か

現在のハイエンドLCD TVの主流はMiniLEDバックライトだが、Micro RGB evoはLGが独自開発したMicro RGB Technologyを採用する。赤・緑・青のLEDバックライトを個別に制御する仕組みで、従来の白色LEDバックライトとは根本的に異なるアプローチだ。

さらに際立つのが、LGのOLED TVで最上位に位置するAlpha 11 AIプロセッサ Gen 3(Dual AI Engineベース)を、初めてLCD TVに搭載した点である。LGは13年間のOLED開発で培った精密制御の知見を、そのままRGBバックライト制御に応用したとしている。

主要スペック

項目 仕様

モデル MRGB95(75 / 86 / 100インチ)

プロセッサ Alpha 11 AI Processor Gen 3(Dual AI Engine)

色域認証 BT.2020・DCI-P3・Adobe RGB 各100%(Intertek認証済み)

調光ゾーン 1,000以上(Micro Dimming Ultra)

OS webOS(Voice ID、AI Picture/Sound Wizard搭載)

受賞 CES 2026 Innovation Award(100インチ MRGB95Bモデル)

LG公式発表のポイント

LG公式ニュースルームの発表によると、Micro RGB evoはRGB Primary Color Ultraと呼ぶ色再現技術により、BT.2020・DCI-P3・Adobe RGBの3規格すべてで100%の色域カバーを達成。Intertek社の認証を取得済みとのことだ。LG Media Entertainment Solution Company社長の朴亨世(パク・ヒョンセ)氏は「このカテゴリでは不可能とされていたマイルストーン」と表現している。

1,000以上の調光ゾーンを持つMicro Dimming Ultraにより暗部・明部のディテール表現が大きく向上。映像処理では、2種類のAIアップスケーリングを同時並列処理するDual Super Upscalingが鮮明さと自然さを両立するとしている。UI面でもwebOSの「My Page」パーソナライズ、AI Concierge・AI Chatbot・AI Searchといったコンテンツ探索支援機能が強化されている。

日本市場での注目点

LGの発表時点では、日本での発売時期・価格に関する具体的な情報は公表されていない。ただし、75 / 86 / 100インチという3サイズのラインナップから、競合するSonyのOLEDラインやSamsungのNeo QLEDと直接競合する価格帯(75インチで50〜80万円前後が想定される)になる可能性が高い。

Adobe RGB 100%認証は、DCI-P3環境を重視するクリエイターやスチルフォトグラファー、動画編集者にとっても注目に値する。テレビとモニターの境界がさらに曖昧になる可能性がある製品だ。

筆者の見解

Micro RGB evoが興味深いのは、「OLEDを超える」ではなく「OLEDの技術でLCDを進化させる」という方向性にある。LGにとってOLEDは主力ビジネスであり、それを守りながらLCDカテゴリをどう差別化するかという問いへの、一つの明確な回答といえる。

色域100%認証は数字として強力だが、実際の視聴体験は輝度・反射防止処理・視野角といった要素も複合的に絡む。CES 2026での実機展示後に独立した第三者機関による詳細測定が出てくれば、本当の実力が見えてくるだろう。それでも、OLED最上位プロセッサをLCDへ転用するという技術的決断は評価に値する。日本での発売情報が出次第、価格対性能比とともに改めて注目したい一台だ。


出典: この記事は LG Micro RGB evo: LG’s Most Advanced LCD TV Powered by the Precision of OLED’s AI Processor の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。