Ars Technicaのシニアライター、アンドリュー・カニンガム氏が2026年5月8日に公開した調査記事が、Macユーザーの間で注目を集めている。同氏は423種類のMac構成の出荷日を4月と5月の2回にわたって追跡調査し、Appleの品薄状況を定量データとして明らかにした。
なぜこの状況が注目されるのか
Appleが先日発表した決算発表の場で、CEOのティム・クック氏は「いくつかのMacモデルで供給制約が発生しており、サプライチェーンの柔軟性が従来より低下している」と明言した。さらに今後はRAMの調達コストが「大幅に上昇」する見込みであるとも述べており、単なる一時的な在庫切れではなく、RAM・ストレージ・先端半導体製造能力の複合的な不足が構造的に影響していることを示唆している。
Mac全体の販売自体は好調で、特に低価格帯の新モデル・MacBook Neoは既存ユーザーの買い替えだけでなく新規ユーザーの獲得にも貢献しているとクック氏は説明した。その需要増に供給が追いついていない状況だ。
海外レビューのポイント:423構成を2度追跡した調査結果
Ars Technicaのカニンガム氏は、Apple Storeで購入可能なほぼすべてのMac構成(プロセッサー・RAM・ストレージ・カラーの全組み合わせ)を洗い出し、出荷日の変化を記録した。nano-textureディスプレイオプションやiMacのVESAマウント等の一部オプションを除いた423構成が対象だ。
Mac mini
カニンガム氏の調査によると、品薄がとりわけ深刻なのがMac miniだ。M4モデルの32GB版、M4 Proモデルの64GB版、そして従来の599ドル基本モデル(16GB/256GB)が販売終了となっており、Appleが逼迫した在庫状況を受けて構成を絞り込んでいることがデータから読み取れる。
現在、1カ月以内に出荷可能な構成は「M4・16GB/512GB」のみ。この構成の出荷目安は4月時点で29〜36日だったが、5月には25〜32日とわずかに改善している。一方で一部の中位構成は4月より出荷が遅くなっているケースもある。
構成 4月の出荷目安(日) 5月の出荷目安(日)
Mac mini M4 16GB/512GB 29〜36 25〜32
Mac mini M4 Pro (12c) 24GB/512GB — さらに長期
Mac Studio・MacBook Neo
Mac StudioおよびMacBook Neoも長納期が続いている。カニンガム氏の評価では、デスクトップ勢(Mac mini・Mac Studio)の状況がより深刻で、MacBook Neoはそれと比べれば若干マシとされているが、通常の在庫水準には程遠い状況だ。
日本市場での注目点
日本のApple Storeでも同様の傾向が出ており、Mac miniの複数構成で数週間〜数カ月待ちの表示が続いている。RAMの調達コスト上昇がAppleの製品価格に波及する可能性もあり、近い将来の価格改定リスクには注意が必要だ。
購入を急いでいる場合は、Apple公式の整備済製品(Apple Refurbished)や家電量販店での在庫確認も有効な手段となる。Mac miniの上位構成を希望する場合は、数カ月単位の待機を前提に計画を立てるか、用途によってはMac Studioの下位モデルとコストパフォーマンスを比較することも一考に値する。
筆者の見解
カニンガム氏がわざわざ423構成を2回にわたって手作業で追跡したという事実が、この品薄問題の深刻さを物語っている。「なんとなく品薄らしい」という定性的な情報を定量データで裏付けた点は、購入判断の材料として非常に実用的だ。
注目すべきは、AppleがRAM・ストレージの構成バリエーションを意図的に絞り込むことで在庫管理を行っているという点だ。ビジネス判断としては合理的だが、ユーザーの選択肢が狭まるというトレードオフがある。特に「16GBでは足りないが32GBは高すぎる」という中間需要を持つユーザーには影響が大きい。
RAM価格の高騰が今後の製品価格に転嫁されてくると、「Mac miniは手頃なデスクトップ」という従来の価値提案が変わってくる可能性もある。この数カ月の動向は、Macを購入予定のユーザーにとって重要な指標となるだろう。
関連製品リンク
Apple 2024 Mac mini with M4 Chip with 10-Core CPU and 10-Core GPU Desktop Computer
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出典: この記事は Which Macs are suffering from shortages—and where are things getting worse? の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。
