Tom’s Guideが5月7日に報じたところによると、GoogleのAndroidエコシステム担当プレジデント・Sameer Samat氏が、iOS 26で採用されたAppleの「Liquid Glass」に似たUIデザインをAndroid/Pixel 11に導入するという噂をX(旧Twitter)上で明確に否定した。
Apple「Liquid Glass」とは、なぜ騒動になったか
iOS 26でAppleが導入した「Liquid Glass(リキッドグラス)」は、ガラスのような透明感と光の反射を組み合わせた新ビジュアルデザイン言語だ。賛否両論を呼びながらも、すでに複数のAndroidメーカーが類似デザインの採用に動いている。
Tom’s Guideの記事によると、VivoはLiquid Glass風のデザインを自社端末に採用済みで、OppoやSamsungもガラス調のUI要素を追加しているという。こうした業界の追随ムードを背景に、Googleも同様の方向に進むのではという噂が広まっていた。
噂の直接的な発端は、GoogleがAndroid Show: I/O Editionに向けて公開したティーザー動画。動画内でAndroidのマスコットキャラクターが半透明になる演出が含まれており、これがLiquid Glass導入を示唆するものと解釈された。
Googleの回答:「Not happening! Y’all are wild.」
Samat氏はXに「Not happening! Y’all are wild.(ないない!みんな大げさすぎ)」と投稿し、Pixel 11へのLiquid Glass導入を一刀両断した。Tom’s GuideのTom Pritchard氏の分析では、ティーザーの半透明演出は「おそらくGeminiやAIと関係したもの」と推察。Geminiロゴにはティーザーのカラーパレットとよく似た虹色の配色が使われているためだ。
海外レビューのポイント
Pritchard氏はGoogleがLiquid Glassを採用しない判断を評価している。根拠として挙げているのは、AppleがLiquid Glass実装後にカスタマイズオプションを追加するまで数ヶ月かかり、ユーザーから批判を受けた経緯だ。「こうした前例がある中で、急いでコピーするのは理にかなっていない」という見方だ。
またTom’s Guideは、Google I/OではデザインよりもAIがメインテーマになるとの見通しを示している。AIへの重点シフトを強調するイベント構成になりそうだとしており、Geminiのシステムレベルでの深化が鍵になると読んでいる。
日本市場での注目点
Pixel 11の日本発売時期・価格は未発表だが、例年の傾向から秋頃の発表が予想される。Pixel 8a以降のコスパの高さで日本でもユーザー層が広がっているPixelシリーズが、デザインではなくAI統合で次の勝負に出るという方向性は、日本のAndroidユーザーにとっても注目の動きだ。
Android Show: I/O Editionは日本時間5月13日(火)午前2時(ET 1:00 PM)、I/Oキーノートも同日同時刻に配信予定。日本のエンジニアにとっても見逃せないタイミングだ。
筆者の見解
今回のGoogleの対応は、率直に言って正しい判断だと思う。Liquid Glassに対するAppleユーザーの反応は決して一枚岩ではなく、「見た目は面白いが使い勝手が下がった」という声も多い。そこへ急いで追随するのは独自性を損なうだけで、リスクに見合わない。
気になるのはティーザーの演出の意味だ。Androidマスコットが半透明になり、Geminiカラーが輝く——これはデザインの変化ではなく「AndroidはGeminiファーストになる」という意思表示に見える。であれば、Google I/Oで問われるのは「GeminiがAndroidにどこまで深く組み込まれるか」だ。単なるアシスタント機能の追加にとどまるのか、OSレベルで推論が走る構造になるのか——その答え合わせが5月13日に行われる。
VivoやOppoが素早くLiquid Glassを採用したのは、ある種の業界の習慣的な追随行動だ。Googleがその流れに乗らなかったことは、プラットフォームとしての矜持を示している。ただし、独自路線を宣言したからには「Gemini統合でAppleに差をつける」という結果を出さなければならない。I/O後の評価が楽しみだ。
出典: この記事は ‘Not happening! Y’all are wild’: Google shoots down rumors Android will copy the iPhone’s Liquid Glass design の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。