米テクノロジーメディア「Tom’s Guide」が5月6日に報じたところによると、XboxのEVP兼CEOに就任したAsha Sharma氏が、コンソールおよびモバイル向けMicrosoft Copilot AIの開発を正式に廃止すると発表した。
Xbox改革の背景——新体制が動き出した
Xboxは今年、大きな転換点を迎えた。長年にわたってXboxを率いてきたPhil Spencer氏とSarah Bond氏が相次いでポジションを離れ、後任にはMicrosoftのCoreAI部門でプロダクトを率いていたAsha Sharma氏が抜擢された。
Sharma氏は就任後、矢継ぎ早に改革を断行している。Xbox Game Passの月額料金を29.99ドルから22.99ドルへ引き下げ、不評だった「This is an Xbox」キャンペーンを廃止。さらにゲーマーから長年要望されていたAchievementsシステムの改善にも着手した。
Copilot AI廃止——何が変わったのか
今回の発表の核心は、コンソールとモバイル向けCopilot AIの開発終了だ。Sharma氏はX(旧Twitter)への投稿でこの決定を明言した。
廃止される機能は、ゲームプレイ中のヒント提供・ゲームのおすすめ・Xboxショーケースの予測などを担う「ゲームアシスタント」構想だ。なお、Xbox Game Bar(Windows 11)およびROG Xbox Allyシリーズでの提供は継続される。
海外レビューのポイント
Tom’s GuideのElton Jones氏は「この決定を歓迎する」というトーンで報道しており、Sharma氏の一連の改革についてゲーマーが再び楽観視し始めていると伝えている。Jones氏の評価では、「Game Pass値下げ」「不評キャンペーン廃止」「Copilot AI廃止」はいずれも「ゲーマーの声に寄り添ったもの」とされ、スピード感ある意思決定が高く評価されている。
人事面では、IGNが詳報したXbox内部メモによれば、Sharma氏のCoreAI時代の同僚が幹部として複数任命された。Jared Palmer氏(エンジニアリングVP)、Tim Allen氏(デザインCVP)、Jonathan McKay氏(Head of Growth)、Evan Chaki氏(開発簡素化チームリード)の4名が中核を担う。
日本市場での注目点
Game Passの値下げは日本ユーザーにも影響しうる。日本でのXboxハードウェアシェアはPS5やNintendo Switchと比べて限定的だが、PC Game PassやクラウドゲーミングでXboxを利用しているユーザーには朗報だ。
Copilot AIの廃止については、コンソール向けの展開がそもそも日本で本格化していなかったこともあり、直接的な影響は小さいだろう。一方、ROG Xbox Allyシリーズ(ASUSとの協業ハンドヘルド)はCopilot AI提供が継続されるため、携帯ゲーミングPCとして検討しているユーザーは引き続き対象になる。
筆者の見解
Copilot AIをコンソールに組み込もうという構想は、ゲームの没入感を分断しかねないという点で、ゲーマーから懐疑的な目を向けられていた。その意味で、今回の廃止判断は「ゲームはゲームとして体験できることが最優先」という当たり前の命題への回帰だ。
より大きな文脈で見れば、これはCopilotをあらゆるプロダクトに組み込もうとしてきたここ数年の方針を静かに修正する動きでもある。機能を足すより、余計なものを削ぎ落として本来の価値に集中する——それはXboxが今まさに必要としていた方向性だろう。
MicrosoftにはXboxというブランドを輝かせ直す実力がある。Sharma氏のスピード感ある意思決定とコミュニティへの寄り添い姿勢は、その実力を正しく使う方向への確かな一歩に見える。次のXbox Showcaseで、この改革がゲームラインナップにどう結実するかを注視したい。
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出典: この記事は Xbox CEO just scrapped Copilot AI for consoles — and I couldn’t be happier の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。