TechCrunchが報じたところによると、DJIが新型ドローン「Avata 360」を約530ドル(日本円換算で概ね8万円前後)で発売した。上下2つのフィッシュアイレンズを搭載し、飛行中に8K/60fpsの全天球(スフィリカル)動画をリアルタイムで撮影できる点が最大の特徴だ。

なぜAvata 360が注目されるのか

360度空撮映像の制作はこれまで、複数台のドローンを同時運用するか、大型リグに複数カメラを搭載した高価な機材が必要だった。Avata 360はこれを単体のコンパクトなドローンで実現しようという製品だ。

8K/60fpsという組み合わせはVRコンテンツ制作において重要な意味を持つ。高解像度ほどVRゴーグル装着時の没入感が増し、60fpsの滑らかさは動きの激しい空撮シーンでの視聴者の酔いを軽減する効果もある。競合製品より安価に設定されている点は、参入障壁を大きく引き下げる可能性がある。

TechCrunchが伝えた製品スペック

TechCrunchの報道によると、主な仕様は以下の通りだ。

  • 価格: 約530ドル(約8万円前後)
  • 映像性能: 8K/60fps球体動画
  • レンズ構成: 上下2基のフィッシュアイレンズ
  • 撮影方式: 飛行中にリアルタイムで全天球映像を合成

上下のフィッシュアイレンズを組み合わせて全天球映像を生成する手法は、Insta360やGoPro MAXなどの地上用アクションカメラで実績がある。Avata 360はそのアプローチをドローンに載せた形だ。DJIはすでにAvataシリーズでFPVドローンの設計知見を持っており、そのプラットフォームをベースに360度撮影機能を統合したと考えられる。

日本市場での注目点

DJI製品は日本でも正規代理店を通じて広く流通しており、Avata 360も日本市場への投入が期待される。現時点での日本円換算は8万円前後だが、輸送コストや為替次第で変動する。

注意点として、200g超のドローンは日本の航空法の規制対象となり、DID(人口集中地区)での飛行には許可が必要なケースがある。VRコンテンツ制作者、不動産・観光業界のプロモーション担当者、あるいはYouTubeやSNS向けに差別化映像を求めるクリエイターにとって、導入を検討する価値がある製品といえるだろう。

筆者の見解

Avata 360が示す方向性は明快だ——「プロダクションハウスしか撮れなかった空撮VRを、8万円のドローン1台で」という価値提案である。

実際の映像品質を左右するのは、2枚のフィッシュアイ映像を継ぎ目なく合成するスティッチング処理の精度と、低照度環境でのノイズ特性だ。球体映像はレンズ間のつなぎ目が粗いと没入感が一気に壊れるため、DJIのソフトウェア処理の完成度が問われる。この点は詳細なレビューを待ちたい。

530ドルという価格は競争力がある。映像制作に関わるクリエイターや業務利用を検討する担当者は、日本での正式発売情報に注目しておきたい。

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出典: この記事は DJI Avata 360: $530 drone captures 8K 60fps spherical video の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。