Windows 11 Insider Preview(ビルド26300.8170)で、30年来の「FAT32は32GBまでしかフォーマットできない」という制約がついに解除された。コマンドライン経由に限られるものの、最大2TBのFAT32パーティションを作成できるようになった。小さな変更に見えて、現場では地味に影響が大きいアップデートだ。

32GBという上限はどこから来たのか

この制限の起源はWindows 9x時代にさかのぼる。当時のストレージ容量はメガバイト単位が当たり前で、32GBという上限は当時の設計者にとって「十分すぎるほど大きな値」だった。それが2026年の今日まで、Windowsの標準フォーマットツールにそのまま残り続けた。

技術的には、FAT32ファイルシステム自体は最大2TBのパーティションをサポートしている。Linuxのmkfs.fatコマンドや各種サードパーティツールは以前からこの制限なしに動作していた。問題はWindowsの実装側にあり、回避策としてサードパーティ製ツールや別OSを経由するのが常識になっていた。

変わったこと・変わっていないこと

変更されたこと:

  • formatコマンド(コマンドプロンプト・PowerShell)でのFAT32フォーマット上限が2TBに拡張

変わっていないこと:

  • ファイルエクスプローラーおよびディスク管理ツール(GUIツール)は依然として32GB制限のまま
  • FAT32ファイルシステム固有の「1ファイル4GBまで」という制限は変わらず

GUIからは操作できないため、「完全解決」とは言えない状態だ。ただし、スクリプトや自動化処理を組む環境においては、今回の変更は実質的な意味を持つ。

実務への影響—日本のIT現場での活用シーン

ゲーム機・レガシー機器との共存

FAT32フォーマットが依然として重要な場面は日本でも少なくない:

  • Nintendo SwitchやPlayStation系ゲーム機との外部ストレージ共有
  • 工場・製造ラインの組み込み機器:旧世代のPLCやHMIがFAT32しか読めないケースが現場に残っている
  • macOSとのデータ交換:NTFSをデフォルトで書き込めないmacOSとのファイル共有
  • 放送・映像機器:旧世代の収録機材がFAT32を要求するケースがある

これまでサードパーティツールや別OSを経由していた作業が、Windowsのコマンドラインだけで完結できるようになる。

コマンドラインでの実行例

GUIからは使えないため、コマンドプロンプトまたはPowerShellを使う必要がある。


出典: この記事は Microsoft FAT32 Formatting Limit Increased to 2 TB in Windows 11 for Better Compatibility の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。