米テックメディアThe Vergeは2026年4月30日、Robloxが公表した2026年第1四半期決算の内容を詳細に報じた。デイリーアクティブユーザー(DAU)が1億3200万人となり、わずか6ヶ月で2000万人を失ったことが明らかになっている。

急減するDAUと成長する収益の「ねじれ」

The Vergeの報道によると、RobloxのDAUの推移は以下の通りだ。

  • 2025年Q3: 1億5200万人
  • 2025年末(Q4): 1億4400万人(▲800万人)
  • 2026年Q1: 1億3200万人(▲1200万人)

6ヶ月間の累計減少幅は2000万人。一方で収益は14億ドルに達しており、ユーザー数と売上が逆方向に動くという異例の状況が生まれている。米国・カナダ市場でも前四半期比で100万人の減少が確認されており、決して特定地域に限った話ではない。

年齢確認導入が「諸刃の剣」に

Robloxはここ数四半期、年齢確認機能の段階的な展開を進めており、これが今回のDAU減少の主因として説明されている。The Vergeが報じた決算資料では、Robloxが「想定以上の逆風」があったと認めており、年齢確認の導入が「新規ユーザー獲得を鈍化させた」と明言している点は注目に値する。

2026年Q1終了時点で、世界全体のデイリーアクティブユーザーの51%が年齢確認を完了済み。米国ではその割合が65%に上るという。加えて、2025年12月にロシア政府がRobloxを禁止したことも、DAU減少に拍車をかけたとされている。

安全強化と成長の両立へ——18歳以上市場への注力

こうした状況を受け、Robloxは新たな成長戦略を打ち出している。The Vergeによれば、同社は今回の決算発表と同日に、年齢確認済みの18歳以上ユーザーのゲーム内支出に対するDeveloper Exchange(開発者への収益還元)レートを42%引き上げることを発表した。

子供向けのイメージが強かったRobloxが、成人ユーザーを意識したコンテンツエコシステムの構築に舵を切っていることが読み取れる。同社は今後数四半期にわたり「年齢に応じたコンテンツ・機能へのアクセスを促進するための追加改善を実施する」と述べており、この安全強化の推進が2026年の「トップライン成長への期待を引き下げる」とも認めている。

日本市場での注目点

Robloxは日本でも小中学生を中心に根強い人気を持つプラットフォームだ。日本では子供のオンラインゲームへの保護者の関与が高く、年齢確認や保護者管理機能への関心は欧米同様に強い。ただし、日本における年齢確認の普及状況についての公式データは今回の決算資料では明示されていない。

Roblox自体はアプリとして無料でプレイ可能だが、ゲーム内通貨「Robux」の購入はApp Store・Google Play経由で課金する仕組みになっている。年齢確認の強化によって18歳以上向け機能が拡充されれば、保護者が安心してプラットフォームを許可できる環境が整う可能性もあり、日本市場での長期的な普及にはむしろプラスに働くシナリオも考えられる。各国で強化が進む子供向けオンライン規制の流れを踏まえると、早期に自主規制を打ったRobloxの姿勢は注目に値する。

筆者の見解

今回のRobloxの状況は、「禁止ではなく安全に使える仕組みを作れ」というプラットフォーム設計の本質的な難しさを示している。年齢確認は子供を守るための必要な施策だが、同時に新規ユーザーの参入障壁になることは避けられない。短期のDAU減少はその「コスト」と見るべきだろう。

注目したいのは、収益は増え続けているという事実だ。DAUが減少しても売上が伸びているということは、プラットフォームの「質」が変化しつつあることを示唆している。年齢確認を完了したユーザーが、より積極的に課金するエンゲージメントの高い層であることを示している可能性がある。

法規制や社会的な要請を先取りして安全策を打つプラットフォームは、長期的に信頼を獲得しやすい。今後数四半期の推移が、この戦略転換が正しかったかどうかを示すことになる。年齢確認51%という通過点をどこまで伸ばせるか、そして成人ユーザー向けエコシステムが収益の柱に育つかが、2026年後半の焦点となりそうだ。


出典: この記事は Roblox’s daily users continue to drop as age checks slow growth の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。