PC Watch(劉 尭 記者、2026年5月1日)は、LGエレクトロニクス・ジャパンが新型OLEDゲーミングモニター2機種を6月11日に国内発売すると報じた。31.5型4Kの「32GX870B-B」(実売予想価格23万円前後)と45型5K2K湾曲の「45GX950B-B」(同33万円前後)で、両機種ともにモニター内蔵プロセッサによる3つのAI機能を搭載する点が最大のトピックだ。
3つのAI機能——映像・音響・シーン認識をモニター単体で処理
両モデルに共通するAI機能は以下の3つ。いずれもPC側ではなくモニター本体のプロセッサで完結するため、入力ソースを問わず動作する点が特徴だ。
- AI Upscaling:内蔵プロセッサが映像信号をリアルタイム解析し、低解像度コンテンツをアップスケール
- AI Sound:コンテンツに応じて音声・効果音・BGMを分離し、音響を自動最適化
- AI Scene Optimization:ゲーム・スポーツ・アニメーション・ドキュメントなどのコンテンツ種別を自動認識して表示を最適化
32GX870B-B——4K/240Hz・タンデムOLEDで輝度と色再現性を強化
32GX870B-Bは、従来3層だったOLED発光層を4層に増やした「タンデムOLED」パネルを採用する。ピーク輝度1,500 cd/㎡、DCI-P3 99.5%の色域を実現し、DisplayHDR True Black 500やDelta E 2以下のUL認証を複数取得している。
項目 仕様
パネルサイズ 31.5型
解像度 4K(3,840×2,160)
リフレッシュレート 4K/240Hz、FHD/480Hz(VESA Dual Mode)
色域 DCI-P3 99.5%
応答速度 0.03ms(中間色)
コントラスト比 185万:1
VESA Dual Modeで4K/240HzとFHD/480Hzを切り替えられるのに加え、FHD表示時は画面サイズを27型または24.5型に縮小できる機能も搭載。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort 2.1、USB Type-C(DisplayPort Alt Mode対応・USB PD 90W給電)を備え、エルゴノミックスタンドは昇降110mm・ピボット対応と実用面でも充実している。
45GX950B-B——MLA搭載5K2K・曲率800Rで没入感を追求
45GX950B-Bは、マイクロレンズアレイ(MLA)技術を採用した5K2K(5,120×2,160)パネルを搭載する曲率800Rの湾曲モニター。ピーク輝度は1,300 cd/㎡、DCI-P3 98.5%、コントラスト比150万:1を実現する。
VESA Dual Modeで5K2K/165HzとUWFHD/330Hzを切り替えられるほか、画面サイズを39型〜24.5型、アスペクト比を21:9または16:9に変更できる機能も備える。ゲームだけでなく、横長のウルトラワイド環境をフルに活かしたい開発・クリエイター用途でも選択肢に入る仕様だ。
日本市場での注目点
両機種とも6月11日に国内発売が確定しており、海外モデルと発売時期がほぼ同時期に揃う点は好材料だ。実売予想価格は32型が23万円前後、45型が33万円前後。OLEDゲーミングモニター市場ではASUSやMSIも競合しているが、タンデムOLEDとMLA OLEDをそれぞれ採用した上でAI機能を全搭載する構成は、この価格帯でも際立つポジションを取る。
USB PD 90W給電対応のType-Cは、MacBook ProやThinkPadなどをケーブル1本で接続・充電できる実用メリットが大きく、ゲームだけでなくエンジニア・クリエイター層にとっても訴求力がある点は注目に値する。
筆者の見解
ゲーミングモニターへのAI機能搭載は今後の業界標準になっていく流れだが、「何をモニター側で処理するか」という設計思想は冷静に見ておく必要がある。
AI Upscalingについては、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRがGPU側で同様の処理を担っている。モニター内蔵プロセッサで行う利点は「PS5やApple TVなど、あらゆる入力ソースに対応できる汎用性」にある。ゲームPC専用に使うならGPU側のアップスケーリングと競合する側面もあるが、複数デバイスを1台のモニターで使い回すユーザーには意味のある差別化だ。
AI Soundは7W+7Wのステレオスピーカーが前提であり、本格的な音環境を求めるなら外付けスピーカーやヘッドセットが現実的な選択になる。AI機能はあくまで補完と割り切って評価するのが妥当だろう。
価格面で言えば、タンデムOLEDとMLAという現時点で最上位のパネル技術を採用した上での23〜33万円という設定は、市場水準から見て理に適っている。OLEDゲーミングモニターへの投資を検討しているなら、この2機種は正面から候補に入る実力を持っていると見ている。
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出典: この記事は LG、AIで映像や音響を向上させるOLEDゲーミングモニター の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。