米テックメディア「The Gadgeteer」のRei Padla氏が2026年4月12日付で、ASUSの新型Zenbookシリーズ5機種のレポートを公開した。中でも最注目は、Qualcomm Snapdragon X2 Elite Extreme搭載のZenBook A16(UX3607)。同メディアは「現時点で購入できる最速のSnapdragon搭載ラップトップ」と評している。
なぜこの製品が注目か
ZenBook A16の核心は、Qualcommの第3世代Oryonアーキテクチャを採用したSnapdragon X2 Elite Extreme。18コア構成でNPU性能は80 TOPS、上位モデルでは最大クロック5.0 GHzに達する。The GadgeteerのRei Padla氏によれば、このSoCは前世代のSnapdragon X Eliteと比較してトータルパフォーマンスが48%向上し、Adreno X2 GPUはグラフィックス性能を最大2.3倍引き上げた。3nmプロセスによる電力効率の改善も加わり、バッテリー持続時間と処理性能の両立を実現している。
ARM PCの市場シェアは2026年末までに30%に達するという予測もある中、このSoCの登場はWindows on ARMの成熟を象徴するマイルストーンといえるだろう。
主要スペック
項目 仕様
プロセッサ Snapdragon X2 Elite Extreme(18コア、最大5.0 GHz)
NPU 80 TOPS
RAM 48 GB LPDDR5x(9600 MHz)
ストレージ 最大1 TB PCIe 4.0 SSD
ディスプレイ 16インチ 3K(2880×1800)OLED、120 Hz、HDRピーク輝度1100 nits
バッテリー 70 Wh、21時間以上(動画再生)
充電 130W USB-C、30分で50%
ポート USB 4.0 Gen 3 Type-C ×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A、HDMI 2.1、SD 4.0、3.5 mmオーディオ
通信 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
重量 約1.20 kg(タッチスクリーンなし)〜約1.30 kg(タッチスクリーンあり)
筐体素材 Ceraluminum(セラミック・アルミニウム複合素材)
筐体のCeraluminumはASUSが4年かけて開発したオリジナル素材で、軽量性と剛性を両立している。
The Gadgeteerのレビューポイント
The GadgeteerのRei Padla氏のレポートから、注目点を整理する。
評価できる点:
- Snapdragon X2 Elite Extremeの登場により、Intel Panther Lakeをベンチマークで超える場面が見られるという。前世代比35%の性能向上と43%の省電力化を両立
- 70 Whバッテリーで21時間以上の動画再生、さらに30分で50%充電できる急速充電に対応
- 6基のスーパーリニアスピーカーを搭載し、音響体験にも配慮
- タッチスクリーン付きでも約1.30 kgと軽量を維持
気になる点:
- $1,699.99〜$1,999.99という価格帯は競合製品より高め
- タッチスクリーン付きモデル($1,699.99)は最大クロックが4.0 GHz止まりで、5.0 GHz対応とWindows 11 Proの組み合わせは$1,999.99のタッチなしモデル限定という仕様分けは少々わかりにくい
同時発表のラインナップ
Zenbook A14(UX3407):同じSnapdragon X2 Eliteプラットフォーム(Extreme非搭載、最大4.0 GHz)を14インチボディに凝縮。最軽量構成で約0.99 kgと超軽量ながら、同じ70 Whバッテリーで33時間以上の動画再生を謳う。価格は$1,349.99〜。
Zenbook S16(UM5606):AMD Ryzen AI 400シリーズ搭載で83 Whの大容量バッテリーを採用。AMDルートを選ぶユーザー向けの選択肢となる。
日本市場での注目点
米国では$1,699.99〜の設定。日本での発売時期は現時点で未発表だが、ZenbookシリーズはこれまでもASUS Japan経由で比較的早期に国内展開されてきた実績がある。円安が続く現状では、日本円で25〜30万円前後の価格帯になる可能性が高い。
ARM PCのソフトウェア互換性は2025年以降で大きく改善されており、主要開発ツールのArm64ネイティブ対応も進んでいる。競合となるMicrosoft Surface ProやLenovo YogaのSnapdragon搭載機と比較しながら、次のPC選定の参考にする価値があるだろう。
筆者の見解
Snapdragon X2 Elite Extremeの登場は、ARM PCが「試してみる選択肢」から「真剣に検討すべき選択肢」へと格上げされた証左だ。前世代比48%のパフォーマンス向上と大幅な省電力化の組み合わせは、バッテリー持続時間に悩んできたモバイルユーザーに実質的なメリットをもたらす。
Copilot+ PC規格の80 TOPS NPU要件を余裕でクリアするスペックは、Windows AI機能の将来的な拡張に備える意味でも意義がある。ただし、NPUの存在が実体験にどれほど直結するかはソフトウェア側の進化次第であり、ハードウェアの実力がユーザーの日常に活きるかどうかは引き続き注視が必要だ。Microsoftには、この優れたハードウェア基盤を本当の意味で活かすソフトウェア体験を作り上げることを期待したい。
アプリ互換性の課題が年々解消されつつある今、「次のPCはARMかx86か」を意識的に選択する時代が到来している。ZenBook A16はその判断基準を引き上げる一台であることは間違いない。
関連製品リンク
ASUS Zenbook S 16 UM5606WA AMD Ryzen AI 9 HX 370 32GB 1TB
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出典: この記事は The New Zenbook A16 Is the Fastest Snapdragon Laptop Yet の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。

