Android Authorityのアダムヤ・シャルマ記者が2026年4月12日に報じたところによると、Huaweiはワイドフォルダブルスマートフォン「Pura X Max」を正式に公開した。縦長・細身のデザインが主流だった折りたたみスマホ市場において、横長に展開する新しいフォームファクタを業界に先駆けて投入した形だ。
横長フォルダブルとは何か
これまでの折りたたみスマホは「縦長の本」を開くような形状が主流だった。Samsung Galaxy Z FoldシリーズやHuawei Mate Xシリーズも基本的にはこの縦長フォームファクタを踏襲している。
Pura X Maxが採用した「ワイドフォルダブル」は、展開時に横長のタブレットに近い形状になる設計だ。Android Authorityの報道によると、内側ディスプレイは7.69インチ(WQHD+解像度)、外側カバースクリーンは5.5インチを搭載。厚さは5.2mmという驚異的な薄さを実現しており、三眼カメラシステムと目立たない折り目(クリース)が確認されているとのこと。カラーラインナップはホワイト、オレンジ、パープルの3色が用意されている。
この形状は、動画視聴・マルチタスク・ゲームといった横長コンテンツの利用に自然にフィットする。2013年に登場した初代Google Pixel Foldが5.8インチ外側+7.6インチ内側という比率を採用していたが、現代の高精細ディスプレイと薄型設計でこのコンセプトが復活した形だ。
SamsungとAppleより先を行く意義
Android Authorityは「業界が明らかに新しい方向へ向かっているが、その先手を打ったのはHuaweiだ」と評している。Samsung「Galaxy Z Fold 8 Wide」のリーク情報では7.6インチ内側+5.4インチ外側という数字が出ており、Pura X Maxとほぼ同スペックになる見込みだ。Appleもワイドフォルダブル設計を検討中との報道が複数ある中、Huaweiが最初に製品として市場に出した事実は象徴的な意味を持つ。
現時点では中国向けのプレオーダーが開始されており、グローバル展開や正式価格は未公表。リーク情報では約1,615ドル(約23万円)スタートとされているが、公式発表を待つ必要がある。
日本市場での注目点
Pura X Maxの日本市場投入は現時点では明言されていない。Huaweiはここ数年、米中摩擦の影響でGoogleサービス非搭載の状態が続いており、日本での販売チャネルも限られている。直接購入するには中国版の並行輸入品を利用するルートになるが、技適未取得端末の使用リスクや保証面での課題がある。
一方で、SamsungのGalaxy Z Fold 8 Wideは2026年後半に国内発売が見込まれており、日本のユーザーはこちらを経由してワイドフォルダブルを体験できる可能性が高い。Pura X Maxはその「先行事例」として、レビューや比較情報を事前に収集しておく参考になる。
価格帯は23万円前後からとなる見込みで、現行のGalaxy Z Fold 6(国内では20万円台後半)と拮抗するレンジになりそうだ。
筆者の見解
Huaweiがこのタイミングでワイドフォルダブルを発表した意味は、単なる新製品リリース以上のものがある。SamsungもAppleも「ワイドに行く」と囁かれている中で、フォームファクタの「定義者」になれるかどうかを先に押さえた戦略的な一手だ。
率直に言えば、現時点でPura X Maxを日本のユーザーが選ぶ理由はほぼない。Googleサービス非搭載という現実は依然として大きなハードルであり、技適問題もある。しかし「横長フォルダブルの使い勝手」というコンセプト実証としての役割は十分に果たしている。
より重要なのは、SamsungとAppleがこの形状でどう勝負してくるかだ。Samsungは数十年分の折りたたみディスプレイのノウハウとGalaxyエコシステムを持っている。Appleはハードウェア完成度と独自チップで勝負してくるはずだ。どちらも実力は持っている。あとは「いつ出すか」と「どのくらい完成度を上げてくるか」の話になる。Huaweiの先行発表は、その両社に対する良い意味でのプレッシャーになるだろう。
ワイドフォルダブルという形状が本当に「スマホとタブレットの融合」として普及するかどうかは、まだ未知数だ。縦長フォルダブルですら一般普及には至っていない現状を考えると、慎重に見守る姿勢が正直なところだが、2026年後半の発売ラッシュで一気に流れが変わる可能性も否定できない。
出典: この記事は Huawei Pura X Max Edges Out Samsung & Apple in the Wide Foldable Race の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。