Microsoft Intuneの「April 2026 In Development」リストが更新された。今回の目玉はマルチアカウントMAM(Mobile Application Management)の追加だ。複数のIntuneテナントを横断したモバイルガバナンスが可能になるこの機能は、グループ企業や多拠点を持つ日本の大企業にとって無視できない変化となる。早ければ来月から順次展開が始まる予定だ。

Intune「In Development」ページとは

Microsoftは毎月、Intuneに今後追加される機能の一覧を「In Development」ページで先行公開している。単なる予告にとどまらず、IT管理者がヘルプデスクへの事前周知や社内ガイダンスの更新タイミングを計るための重要な情報源だ。このページを定期チェックする文化を組織に根付かせることが、Intuneを使いこなす第一歩といえる。

マルチアカウントMAMとは何か

MAMは、デバイス全体を管理するMDM(Mobile Device Management)とは異なり、アプリ単位でポリシーを適用するアプローチだ。BYODシナリオで特に力を発揮し、個人所有のスマートフォン上でも業務データを安全に分離できる。

今回のマルチアカウントMAM対応が意味するのは、「複数のIntuneテナントにまたがったアプリ保護ポリシーの適用」だ。M&Aで複数テナントを抱えた組織や、グループ会社間でモバイル端末を融通している環境で、これまで個別対処していたポリシー管理が一元化に近づく。

実務への影響

IT管理者がすぐ動くべきポイントを整理する。

今週やること:

  • 公式「In development」ページをブックマークし、毎月の更新を定期チェックする体制を作る
  • ヘルプデスクチームへの変更通知フローを事前に確立しておく

マルチテナント環境の組織は特に注目:

  • 現行のMAMポリシーを棚卸しし、統合・簡素化できる箇所を洗い出す
  • M&A後の統合プロセス中であれば、このタイミングでモバイル管理設計を見直すと後々の運用コストを大きく削減できる

BYOD推進中の企業にとっても、マルチアカウント対応はユーザー体験の改善につながる。一台の端末で複数の組織アカウントを使い分けながら、それぞれのポリシーが適切に適用されるシナリオが現実的になる。

筆者の見解

IntuneはM365スイートの中でも着実に進化しているコンポーネントの一つだと感じている。今回のマルチアカウントMAM対応は、現実のエンタープライズ環境が複数テナントを持つという実態をようやく正面から受け止めた機能だ。「現場の複雑さに追いついてきた」という印象がある。

M365は統合して使うことで初めてその価値が発揮されるプラットフォームだ。Intuneをデバイス管理ツールとして単体で捉えるのではなく、Entra IDの条件付きアクセスやMicrosoft Defender for Endpointと組み合わせたゼロトラストアーキテクチャの文脈で設計することが、今後ますます重要になる。

機能追加のペースが速い分、「知らないと損をする」状況が続いているのも事実だ。In Developmentページを毎月チェックし、変更を先取りして備える体制を組織として持っているかどうかが、Intuneの活用度を大きく左右する。この情報を追いかける仕組みを作ることこそが、IT管理部門の競争力になる時代だと思っている。


出典: この記事は Microsoft Intune In Development for April 2026 is now available の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。