AdobeはCreative Cloudアプリを横断してAIがコンテンツを自動生成・編集する「Firefly AIアシスタント」を2026年4月28日にパブリックベータとして公開した。PC Watchが報じた。
Firefly AIアシスタントとは
Firefly AIアシスタントは、ユーザーが作りたいものを自然言語で入力するだけで、AIがPhotoshop・Lightroom・Premiere・FireflyなどのCreative Cloudアプリを横断しながらコンテンツを生成・編集するチャットベースのサービスだ。
PC Watchの報道によれば、AIが内部でどのアプリのどの機能を使うかを自律的に判断し、生成塗りつぶし・背景削除といったプロ仕様の機能を活用して高品質なアウトプットを生成する。各ステップはユーザーに可視化され、質問を挟みながら進行する設計で、途中から手作業に切り替えることも可能だという。
生成されたコンテンツはCreative Cloudストレージに直接保存されるため、PhotoshopやPremiereなどの各アプリからすぐに呼び出して利用できる。
Creative Skillsライブラリ
ユーザーが自由にプロンプトを入力できるほか、コミュニティのフィードバックを反映した「クリエイティブスキル」ライブラリが事前に用意される点も注目だ。
- 写真のバッチ編集
- 人物写真のレタッチ
- 製品モックアップのデザイン
- スケッチからモックアップ生成
よく使うタスクをプリセットとして選択できる仕組みで、今後も順次拡充される予定だという。
Photoshop・Lightroomの新機能
Firefly AIアシスタントと同時に、PhotoshopとLightroomにも新機能が追加された。
Photoshopの新機能
- オブジェクトの回転: 元画像のデータを活かしたままオブジェクトを自然に回転・傾斜させ、別の視点から見ているように変形できる
- レイヤーのクリーンアップ: レイヤー名の自動整理・不要レイヤーの削除
- Firefly Image 5: 画像全体へのスタイル適用や整形が可能となった新世代の生成AIモデル
- Gemini 3.1(Nano Banana 2)サポート
Lightroomの新機能
- 自然な言葉で写真を検索できる機能
- フィルム風プリセットの追加
- アシスト付きセレクトの高速化
- スライダー操作のパフォーマンス改善
日本市場での注目点
Firefly AIアシスタントは現在パブリックベータとして提供されており、Creative Cloudサブスクリプションを持つユーザーが順次アクセスできる見込みだ。Creative Cloud Pro(12カ月版)が対象プランとして案内されており、日本での利用開始時期についてはAdobe公式の案内を確認したい。
類似するAIワークフロー自動化サービスとしては、Canvaが「Magic Studio」シリーズで複数機能をチャット操作に近い形で提供しているが、Adobeはプロ向けの高機能ツールを横断する点で差別化を図っている。日本のデザイナーやビデオエディターにとっては、Premiere Pro・After Effects・Lightroomといった業界標準ツールをまとめて操作できる可能性があり、ワークフロー全体の変革につながるかどうかが焦点となる。
筆者の見解
今回のFirefly AIアシスタントで注目したのは「アプリを横断する」という設計の思想だ。「Photoshopでこの作業、次にPremiereでこの編集」という従来のワークフローを、ユーザーが切り替えを意識することなくAIが自律的に判断・実行する。これは単純な「機能提案型アシスタント」ではなく、目的を伝えればタスクを遂行するエージェント的な方向性に踏み込んでいる。
ただし、各ステップが可視化されユーザーへの確認が挟まれる設計は現時点では適切だ。プロのクリエイターが実務で使うためには「人間が介入できる透明性」が不可欠で、完全自律化は品質担保の観点からもまだ時期尚早といえる。段階的な自律化の道筋を示している点は評価できる。
クリエイティブ領域のAI活用はコード生成・文章生成に比べてまだ発展途上の印象があるが、Firefly Image 5のような新世代モデルを投入しながらアプリ横断の体験を整備してきたAdobeの方向性は一貫している。パブリックベータの進捗と、実際のクリエイターの評価レポートを引き続き注視したい。
出典: この記事は Adobe、Photoshopなどを横断して作品を生成する「Firefly AIアシスタント」 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。