PCゲーミングデバイスで知られる中国メーカーGPDが、同社初となるミニPC「GPD BOX」と、専用eGPUドッキングステーション「GPD G2」を2026年4月27日(中国時間)に発表した。PC Watchが報じている。詳細スペックの一部は翌28日に公開予定とのことで、現時点では発表段階となる。
なぜこの製品が注目か
世界初のMCIO 8iインターフェイス
GPD BOXの最大の特徴は、世界で初めてMCIO 8iインターフェイスを搭載した点だ。
MCIO(Mini Cool Edge IO)はもともとサーバー・ストレージ向けに設計されたコンパクトコネクタ規格。MCIO 8iはPCIe 5.0 x8接続に対応し、双方向合計512Gbpsの帯域幅を実現する。現在ハンドヘルドゲーミングPCで広く使われているOCuLink(PCIe 4.0 x4、128Gbps)と比べると4倍の帯域幅であり、eGPU接続時の帯域ボトルネックをほぼ解消できる可能性がある。
Intel Panther Lake搭載
CPUにはIntelの次世代モバイルプロセッサ「Panther Lake」を採用する。NPU性能の大幅向上が見込まれる世代であり、AIワークロードとの親和性が高い点も注目だ。インターフェイスの詳細は写真から確認できる範囲では、有線LAN×2、USB Type-A×4、DisplayPort、HDMI出力、USB4 Version 2.0×2を搭載し、電源も内蔵しているようだ。
PC Watchが伝えるGPD G2の評価ポイント
セットで発表されたeGPUドッキングステーション「GPD G2」のスペックについて、PC Watchは以下を報じている。
- 世界初のMCIO 8i+USB4 Version 2.0両搭載eGPUドック
- 別売りビデオカードを装着するPCIeスロット搭載
- 電源を内蔵し、12VHPWRコネクタ(ハイエンドGPU向け規格)を備える
- 100W USB PD給電対応
- M.2 SSDスロット、USB Type-A×2、有線LANポートも搭載
- GPD発表値では「GeForce RTX 4090接続時の性能損失は約2%」
RTX 4090で性能損失2%という主張は、もし実測でも裏付けられるなら、eGPUの常識を変えるインパクトがある。帯域幅不足による性能劣化はeGPUの長年の弱点だったからだ。
日本市場での注目点
GPDは深セン発のメーカーで、日本でもGPD WinシリーズのハンドヘルドゲーミングPCで認知がある。ただし今回の「GPD BOX」は同社にとってミニPC市場への初参入となる製品だ。
価格・発売時期は現時点で未公開。Panther Lake採用を考慮すると、2026年下半期以降の出荷が濃厚とみられる。
日本国内での正規販売ルートは現時点で確認できていない。GPD製品は通常、AliExpressや国内の並行輸入取り扱い店経由での入手になる。MCIO 8i対応のeGPUドックという組み合わせは現時点で他に存在しないため、競合製品との直接比較はしばらく難しいだろう。
筆者の見解
「サーバー向けコネクタ」であるMCIO 8iをミニPC+eGPUの文脈に持ち込んだ発想は、技術的に見て面白いアプローチだ。PCIe 5.0 x8、双方向512Gbpsというスペックは、理論値の上ではeGPUと内蔵GPU的な体験の差を実質ゼロに近づける可能性がある。
特にAIワークロードの文脈では、eGPUで外付けの高性能GPUを使いながらPanther LakeのNPUも組み合わせる、という構成が現実的な選択肢になりえる。省スペースで高性能なAI処理環境を作りたいエンジニアには、スペック次第でかなり刺さる製品になるかもしれない。
一方、気になるのはMCIO 8iのエコシステムだ。現時点で対応機器はGPD G2ほぼ一択であり、規格が普及するかどうかは未知数。「世界初」の先進性を取るか、枯れたOCuLinkの安定感を選ぶかは、実際のベンチマークと対応製品の広がり次第だろう。
28日公開予定の詳細スペックと、その後の実機レビューを引き続き注目したい。
出典: この記事は GPD初のミニPC「GPD BOX」発表、世界初MCIO 8iとPanther Lakeで実現 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。