スポーツ用品メーカーとして長年にわたりアスリートを支えてきたミズノが、2026年4月27日、同社初のeスポーツギアを発表した。PC Watchの宇都宮充氏が報じたところによると、「ゲーミングコントローラー -ハギビス-」「ゲーミングチェア -ハギビス-」「ブランカちゃん人形ブルブルボルレッチ」の3製品で、いずれも格闘ゲーム「ストリートファイター6」とのコラボレーション製品。Makuakeにて2026年5月1日8時より予約受付が開始される。

なぜこの製品が注目か — スポーツ科学×eスポーツの融合

ミズノといえば、野球・水泳・陸上など多数の競技でトップアスリートを支えてきたブランドだ。そのスポーツ科学のノウハウが初めてeスポーツに投入されたのが「ハギビス」シリーズだ。

注目すべきはコントローラの設計思想だ。左右非対称なエルゴノミクス形状を採用しており、コマンド入力を担う左手側はなだらかに盛り上がった形状、ボタン移動が多い右手側は少し凹んだ形状と、用途に応じた手の形状に対応している。さらにボタン配置を左右に分割することで、プレイ中に胸郭が広がり、疲れにくい姿勢を実現するという。「長時間でも疲れにくい身体設計」はスポーツメーカーならではのアプローチだ。

製品仕様と特徴

ゲーミングコントローラー -ハギビス-

レバーレスタイプのアーケードコントローラで、本体サイズは約400×200×75mm。ボタンは大(直径約30mm)と小(約24mm)の2サイズを採用。右手側ボタン2カ所にはストリートファイター6のキャラクター「JURI」のデザインが施されている。

格ゲー界隈で近年急速に普及しているレバーレス(ヒットボックス型)スタイルを採用しながら、ミズノの人間工学設計を盛り込んだのが最大の特徴だ。

ゲーミングチェア -ハギビス-

本体サイズは約700×700×1,200〜1,270mm。通気性と耐久性を兼ね備えたメッシュ素材を採用し、長時間のプレイでも蒸れにくい設計だ。高さ・前後・360度回転アームレスト、ランバーサポート、リクライニング、フットレストなど多彩な調整機能を装備。ヘッドレストは3D調整対応で「JURI」デザインが施されている。

ブランカちゃん人形ブルブルボルレッチ

ミズノの「ボルレッチ」シリーズ初となる振動タイプのエクササイズグッズ。体高約300mm・体長約150mm・重量約525g。右手部分のボタンを長押しすることで振動し、身体に押し当ててリフレッシュできる。振動オフ時は通常のトレーニング用ボルレッチとして使用可能。

日本市場での注目点

3製品はいずれもMakuakeのクラウドファンディングにて、2026年5月1日8時より予約受付開始。具体的な価格・数量はMakuakeのプロジェクトページで確認が必要だ。

格闘ゲームコミュニティにおいてレバーレスコントローラは近年急速に支持を集め、大会シーンでの使用者も増加している。一方、市場にはHitBox、Snack Box Microなど専業メーカーが先行しており、ミズノのスポーツ科学的設計が実際のゲーミング性能においてどう評価されるかが鍵となる。

筆者の見解

eスポーツは「スポーツ」を名乗りながら、身体の疲労管理やエルゴノミクス設計の面でスポーツ科学の恩恵を受けることが少なかった分野だ。長時間プレイによる手首・肩・腰への負担は多くのプレイヤーが抱える実問題であり、ミズノがその課題に本気で取り組んでいるなら、参入それ自体に意義がある。

ただし格ゲーコミュニティは、コントローラの「打鍵感」「反応速度」「スイッチの品質」に対して非常に敏感だ。エルゴノミクス設計がどれほど優れていても、核心的なゲーミング性能で専業メーカーに劣ると評価されれば、ブランド力だけで市場に定着するのは難しい。クラウドファンディング終了後の量産品レビューが正念場になるだろう。

スポーツ科学の知見がゲーミングデバイス設計に本当に活きるかどうか——ミズノが証明できれば、このジャンルに新しい設計基準が生まれる可能性がある。続報に注目したい。


出典: この記事は ミズノ初のeスポーツギア、スト6コラボのレバーレスコントローラとチェア の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。