NAB Show 2026の開幕を目前に控えた2026年4月17日、映像・音声制作メディアNoFilmSchoolのJourdan Aldredgeが報じたところによると、オーストラリア発のオーディオブランドRØDE(ロード)が複数の次世代製品を発表した。中でも独自MEMSマイク技術「Sonaura」とプロ向けUHFワイヤレスシステム「RØDELink II」は、業界から特に大きな注目を集めている。
なぜこの発表が注目されるのか
今回の発表の核心は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems=マイクロ電気機械システム)マイク技術のプロオーディオへの本格参入だ。
MEMSマイクは長年、スマートフォン・タブレット・補聴器などの民生機器に搭載されてきた。シリコンウェハーから半導体製造プロセスで生産されるため、製造ばらつきが非常に少なく、個体差が出やすい従来のコンデンサーマイクと根本的に異なる特性を持つ。RØDEが「Sonaura」と命名したこの独自技術は、スタジオグレードの音質をMEMSで実現するという野心的な試みであり、従来のコンデンサーマイクを凌駕する可能性があるとしてNoFilmSchoolも強調している。
「RØDELink II」はRØDELinkシリーズの後継機となるUHFワイヤレスシステムで、放送・映像制作の現場を主なターゲットとしたプロフェッショナル向け製品だ。
海外レビューのポイント
NoFilmSchool(Jourdan Aldredge、2026年4月17日)の報道時点では、製品の詳細スペックや価格はNAB Show会場での正式展示を待つ段階にある。それでも同メディアが特筆しているポイントをまとめると以下のとおりだ。
評価される点
- Sonaura技術は民生用途に留まっていたMEMSをスタジオグレードまで引き上げるアプローチで、技術的独自性が高い
- NAB 2026というプロ映像・放送業界最大規模のイベントを選んだことが、RØDEの本気度を裏付けている
- RØDELink IIはUHF帯域の採用によりEMI(電磁干渉)耐性が高く、過密電波環境での安定運用が期待できる
まだ不明な点
- Sonauraの具体的な周波数特性・ダイナミックレンジ・ノイズフロア
- RØDELink IIの電波到達距離・チャンネル数・バッテリー駆動時間
- 両製品の正式発売時期と価格
日本市場での注目点
RØDEは日本市場でも安定した認知度を持ち、Amazon.co.jpや主要量販店で正規流通している。特に「Wireless GO II」をはじめとするワイヤレスマイクシリーズは映像クリエイターやYouTuberに広く普及しており、RØDELink IIもその流れで国内展開が期待される。
日本での発売時期・価格は未発表。NAB 2026での正式お披露目後、2026年後半の国内展開が一般的な見通しだろう。
競合として挙げられる主な製品は以下のとおり。
- UHFワイヤレス: Sennheiser evolution wireless G4、Sony UWP-Dシリーズ
- MEMSマイク(プロ用途): 現時点でスタジオグレードを謳う直接競合は存在せず、RØDEの独自領域となっている
筆者の見解
製造ばらつきを極小化するというMEMSの特性は、実務的な観点から見て非常に合理的な進化だ。複数本のマイクを揃える放送局やスタジオでは、個体差が音質や編集効率に直結するため、製品間の一貫性は単なる品質指標を超えた現場の課題解決になりうる。
RØDEはこれまで「手の届くプロ品質」というポジションで映像クリエイター市場を切り開いてきたブランドだ。Sonaura技術がそのブランド文脈で展開されるなら、プロから映像クリエイターまで幅広い層への普及のハードルは高くないはずだ。
ただし、MEMSマイクの音質特性——中高域の質感、過渡応答、ラージダイアフラム特有の「空気感」——については、実機評価が出揃うまで断言は禁物だ。NAB会場でのデモや、プロレビュアーによる詳細評価の公開を待ちたい。
関連製品リンク
RODE Microphones Road Microphones Wireless GO II Dual Channel Wireless Microphone System
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出典: この記事は RØDE Reveals the Next-Gen Wave of Its Audio Products Ahead of NAB 2026 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。
