プレミアムARグラス市場で注目の直接対決が公開された。米テクノロジーメディア Tom’s Guide のJason England氏が、XrealとVitureのフラッグシップARグラス「One Pro」と「Beast」を同時に使用して徹底比較したレビューを発表している。Xrealが「One Pro」の価格を649ドルから599ドルへ永続的に引き下げた背景には、4月27日の正式ローンチを控えた Viture Beast(549ドル)の存在があるとEngland氏は指摘している。

なぜこの対決が注目されるのか

ARグラス市場はここ1〜2年で急速に成熟しつつある。かつては「重い・視野が狭い・価格が高い」という課題が多かったが、Sony製Micro-OLEDパネルの採用と空間処理チップの内蔵により、実用的な「作業デバイス」として認知されるフェーズに入ってきた。今回の比較は、同価格帯で競合する2製品がほぼ同等のハードウェア基盤を持ちながらどこで差別化するかという問いに正面から向き合っており、ARグラス市場の成熟を象徴している。

スペック比較

| 項目 | Xreal One Pro | Viture Beast | |——|————–|————–|| | 価格 | $599(約93,000円) | $549(約85,000円) | | ディスプレイ | Sony Micro-OLED | Sony Micro-OLED | | 解像度(片眼) | 1920×1080 | 1920×1200 | | 視野角(FOV) | 57度 | 58度 | | 最大輝度 | 700nit | 1,250nit | | リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | | トラッキング | 3DoF内蔵 / 6DoF対応 | 3DoF内蔵 / 6DoF対応 | | 専用チップ | X1 Spatialチップ | VisionPairカスタマイズ | | 調光段階 | 3段階エレクトロクロミック | 9段階エレクトロクロミック | | スピーカー | Boseチューニング | Harmanチューニング | | 重量 | 約88g | 約85g |

海外レビューのポイント

Tom’s GuideのEngland氏は両機を実際に使用した上で以下の評価を公開している。

Xreal One Proが優れる点

England氏が特に評価するのはクリエイティブ作業での使い勝手だ。「出張や飛行機での作業では必ずOne Proに手が伸びる」と述べており、フラットなカラーサイエンスがFinal Cut ProやPhotoshopといったプロ向け用途に適しているとしている。内蔵のX1 Spatialチップによりアプリ不要でオンデバイス処理が可能で、3Dコンテンツ再生にも対応している。なお、エッジ部分でわずかなブレが観察されたとも記録している。

Viture Beastが優れる点

Viture Beastの最大の強みは1,250nitという圧倒的な輝度とEngland氏は評価している。Xreal One Proの700nitを大きく上回り、明るい環境での視認性に明確な差がつく。9段階の調光機能により環境に応じた細かな調整が可能で、解像度も片眼1920×1200とわずかに高い。重量が約85gと若干軽量で、長時間着用時の快適性でも有利だ。ただし6DoFトラッキングはSpaceWalkerアプリのインストールが必要なため、セットアップに一手間かかる点は留意が必要だ。

日本市場での注目点

両製品とも現時点で日本国内の正式展開は未発表だが、AmazonグローバルショッピングやAmazon.comからの並行輸入で入手が可能な状況だ。為替レートを考慮すると、Viture Beastが約85,000〜90,000円、Xreal One Proが約92,000〜95,000円程度の水準が目安になる(送料・関税別)。

Xrealは国内でも一定のブランド認知があり、過去モデルの並行輸入実績も豊富なため、コミュニティでのサポート情報を得やすい点は安心材料だ。Vitureは国内での知名度がまだ低いが、スペック面での競争力は本物だ。比較対象として Meta Quest 3 も視野に入るが、完全没入型VRとARグラスは用途が根本的に異なるため、単純な競合というわけではない。

筆者の見解

今回のXrealの値下げタイミングは、Viture Beastのローンチ直前という点で戦略的意図が透けて見える。競合の参入が価格競争を促し、最終的に消費者が恩恵を受けるのは歓迎すべきことだ。

数値だけ見ればViture Beastが有利な項目が多い。しかしEngland氏がクリエイティブ作業でXreal One Proを選ぶという評価は、スペックシートには映らない体験の差を示唆している。輝度の重要性は使用環境によって変わるし、X1チップの処理能力は今後のソフトウェアアップデートで活かせる余地がある。

ARグラスというフォームファクターは、フルヘッドセット型よりも日常的な使用に馴染みやすく、PCワーカーやエンジニアにとっての「拡張ディスプレイ」として実用的な選択肢になってきた。どちらを選ぶかは使用シーン次第だが、この価格帯でSony Micro-OLEDが両製品に採用されているという事実自体が、ARグラス市場が一段階成熟したことの証左だ。

関連製品リンク

XREAL One Pro AR Glass, X1 Chip & X-Prism Optics, Native 3 DoF Compatible

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出典: この記事は Xreal One Pro vs Viture Beast: The battle for AR glasses supremacy の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。