米テックメディアTom’s Guideが、中国スタートアップRokidのAIスマートグラス「Rokid Glasses」について、62日間・5,000マイル以上の旅を共にした詳細レビューを公開した。「普通のメガネに見えること」を最優先に設計された本製品が、Meta Ray-Banの有力対抗馬として通用するか、長期実使用の視点で評価している。

なぜRokid Glassesが注目か

スマートグラス市場の最大の課題は「見た目」だ。いかにもガジェットらしいフレームは、装着者の社会的な受け入れられやすさを著しく損なう。Rokidはその課題に正面から取り組み、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を搭載しながら普通のメガネに見せるというトレードオフを成立させようとしている点が差別化ポイントだ。

加えて、GeminiとChatGPTのどちらのAIモデルを使うかをユーザーが選べる設計は、スマートグラス市場では珍しいオープンなアプローチとして注目に値する。

スペック

項目 詳細

価格 $599(約9万円)

ディスプレイ デュアルモノクロームグリーン Micro LED ウェーブガイド、480×398解像度、1,500nit

視野角(FOV) 23度

チップ Snapdragon AR1 Gen 1

カメラ 12MP F2.25

重量 約48g(1.7oz)

AI Gemini / ChatGPT から選択可能

海外レビューのポイント

評価できる点

Tom’s Guideのレビュアーは、62日間の日常使用を通じて以下を高く評価している。

デザインと装着感:Even Realities G2の鋭いフレームやMeta Ray-Ban Displayの重厚な設計と比較して、Rokidは「普通のお洒落なメガネそのもの」と評価。レビュアーは「注意して見なければスマートグラスだとわからない」と述べており、社会的受け入れやすさの高さを強調している。

ディスプレイの明るさ:1,500nitの輝度により、日光下でも視認しやすいとのこと。ウェーブガイド方式でレンズ上に直接プロジェクションする構造が実用性を高めている。

AI機能の実用性:ナビゲーション、リアルタイム翻訳、会話サマリーなど実用的な機能が充実。レビュアーは外国での道案内や翻訳での活躍を具体的に挙げており、「スリムなパッケージに収まった大きなアシスト」と表現している。

スピーカーとマイク品質:「驚くほど力強いスピーカーと強力なマイク」と評価されており、音声操作・通話の品質が高い。

終日バッテリー:カジュアルな使い方であれば一日持つとのこと。

気になる点

Tom’s Guideのレビューは手放しの絶賛ではなく、以下の課題も正直に指摘している。

カメラの低照度性能:12MPカメラは明るい環境では機能するが、暗所では厳しいと評価。スマートグラスの物理的制約(薄型フレーム、小型センサー)を考えれば想定内の弱点ではあるが、カメラ用途を期待するなら割り引いて考える必要がある。

一部機能の地域制限:AliPayのQRコード決済など、便利そうに見える機能が特定地域でしか使えない。日本市場では特に確認が必要だ。

処方レンズのコスト:本体$599に加え、度付きレンズのオプション費用が大幅に上乗せされる。眼鏡ユーザーにとっては実質的な導入コストが跳ね上がる点は留意したい。

日本市場での注目点

現時点でRokid Glassesの日本正式発売は未発表だ。Meta Ray-Ban Display系製品が日本で正式展開していない状況が続く中、競合の少ないポジションを狙える製品でもある。

価格は$599(約9万円)。比較対象となる国内入手可能なスマートグラスとしては、映像視聴特化型のXREAL Air 2(約5〜6万円台)が代表格だが、HUDとAI機能を備えた総合的なスマートグラスというカテゴリでの競合は現状少ない。

並行輸入での入手は技術的に可能だが、日本語AIサポートの品質やアフターサービスについては事前確認が必須だ。

筆者の見解

Tom’s GuideのレビューはRokid Glassesを総じて好意的に評価しており、62日間・5,000マイルという長期実使用で「満足度が落ちなかった」という事実は、短期インプレッションにはない重みがある。

個人的に最も興味深いのは、AIモデルをユーザーが選択できる設計だ。GeminiとChatGPTを切り替えられるという思想は、ハードウェアベンダーがAIをロックインしない姿勢を示しており、プラットフォームの開放性という観点で健全な方向性だと思う。AIがインフラ化しつつある現在、ウェアラブルデバイスにおいても「どのAIを使うかはユーザーが決める」という流れが加速するのは自然だ。

ただし、$599という価格と度付きレンズの追加コストは、日本の一般ユーザーには依然として高い壁だ。スマートグラスがスマートフォンのように日常に溶け込むには、もう一段階の価格革命が必要だろう。Rokid Glassesはそのビジョンを実現できるポテンシャルを示している製品であるだけに、普及価格帯への展開を期待したい。

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出典: この記事は I traveled 5,000 miles with Rokid Glasses — this Meta Ray-Ban Display rival impressed me の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。