米メディア「Tom’s Guide」のジョン・ヴェラスコ氏が、Blackview製タフネススマートフォン「Xplore 1 Walkie Talkie」の実機レビューを2026年4月19日に公開した。セルラー回線もWi-Fiも不要な本物のトランシーバー機能を搭載した点が業界内で注目されており、アウトドア・防災ユースで従来のスマホの限界を突き破る製品として紹介されている。

なぜこの製品が注目か

スマートフォンにトランシーバー(ウォーキートーキー)機能を搭載した製品は存在するが、そのほぼすべては「プッシュ・ツー・トーク(PTT)」と呼ばれる方式で、実態はセルラーネットワークやWi-Fiを経由したIP通話に過ぎない。電波が届かない山間部や大規模災害時の基地局ダウン時には使えなくなるという根本的な弱点を抱えていた。

Blackview Xplore 1 Walkie Talkieはアナログ・デジタルの両方式に対応した真の無線機モジュールを内蔵しており、インフラ不要で端末同士がダイレクトに通信できる。これは現行スマートフォンのカテゴリを超えた設計思想であり、「インフラへの依存からの解放」という点で一線を画している。

海外レビューのポイント

Tom’s Guideのヴェラスコ氏はSonim XP Pro(MIL-STD-810H準拠)をはじめ多数のタフネス機を評価してきたベテランレビュアーだが、「オフグリッド運用に最も適した端末として今まで試した中でトップクラス」と評価している。

良い点

  • 真のデュアルバンド無線機能:アナログ・デジタル両方式に対応し、市販のモトローラ T110(FRS対応トランシーバー)との通信をテストで確認
  • 20,000 mAhの超大容量バッテリー:「数日間の電力を提供する」とヴェラスコ氏が言及
  • MIL-STD-810H準拠:落下・水濡れ・極温に対する高耐久設計
  • 夜間撮影対応のナイトビジョンカメラ・赤外線リモコンも搭載

気になる点

  • アンテナの収納場所がないため、未使用時の保管に困る
  • トランシーバー操作に使う「InterPhone」アプリのUIが直感的とは言えない。米国FRS(Family Radio Service)周波数・チャンネルを手動で合わせる必要があり、初見では手間取る可能性がある

ヴェラスコ氏は「キャンプや遠隔地への旅行に便利で、緊急時にもっと多くのスマホが提供すべき機能だ」とまとめており、実用性に一定の太鼓判を押している。

スペック概要

項目 仕様

無線方式 アナログ+デジタル デュアルバンド

対応周波数 FRS(米国)等、複数チャンネル選択可

バッテリー 20,000 mAh

耐久規格 MIL-STD-810H

カメラ ナイトビジョン対応

その他 赤外線リモコン機能

価格(Amazon.com) $419.99(クーポンコード「RVOMJDZN」で追加10%オフ)

日本市場での注目点

現時点で日本国内の正規販売情報は確認できていないが、Amazon.co.jp経由の並行輸入品として入手できる可能性はある。ただし注意点が複数ある

第一に、日本国内でFRS帯域(米国の免許不要特定小電力無線)をそのまま使用することは、電波法の観点から許可されていない周波数帯が含まれる可能性がある。国内で合法的にトランシーバー機能を使用するためには、技適マーク取得モデルの登場を待つか、特定小電力無線に対応した国内版ファームウェアの存在を確認する必要がある。

第二に、競合として国内ではソニー Xperia 1 VIなどのフラッグシップタフネス系や、ガーミンのインリーチシリーズ(衛星通信)が存在する。純粋なオフグリッド通信という点では、Garmin inReach Mini 2(双方向衛星メッセージ、約6万円〜)がより確実性の高い選択肢になりうるが、Xplore 1はインフラ不要のトランシーバーをスマホと一体化した点でカテゴリが異なる。

防災・アウトドア需要が高まる日本市場において、技適対応モデルが投入された場合には一定の需要が見込まれる製品だ。

筆者の見解

「圏外でも使えるスマホ」は長年のニーズだったが、これまでの解決策は「衛星通信を追加する」(高コスト)か「デカいバッテリーで長持ちさせる」(根本解決でない)かに留まっていた。Blackview Xplore 1はそこに「本物の無線機を組み込む」という第三の答えを出した点で、方向性として面白い。

特に2024〜2025年にかけて国内外で大規模な通信障害が相次いだことを踏まえると、「インフラに依存しない通信手段をポケットに持ち歩く」という発想は防災観点でも合理的だ。企業のIT管理者やBCP担当者にとっても、セルラー障害時のフォールバック手段として検討に値する考え方ではある。

ただし、InterPhoneアプリのUXの粗さや、アンテナ収納問題といった製品完成度の課題は率直に気になる。$419.99という価格帯は競合タフネス機と比較して低くはなく、国内展開時の技適・周波数対応が整わなければ本領は発揮できない。「コンセプトは正しい。あとは完成度次第」という段階の製品として見ておくのが現実的だろう。

関連製品リンク

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出典: この記事は This phone actually has a built-in walkie-talkie — and it’s the perfect off-the-grid companion の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。