米国の大手テックメディア Tom’s Guide のErin Bashford氏が、Apple AirPods Max 2(第2世代)の長期使用レビューを公開した。「今まで使った中で最高のオーバーイヤーヘッドホン」と絶賛しつつも、カスタムEQ非対応という仕様上の制限に対して強い不満を示す、歯に衣着せぬ評価となっている。

なぜこの製品が注目か

AirPods Max 2は、Appleがオーバーイヤーヘッドホン市場に本格参入した製品の第2世代にあたる。AirPodsエコシステムとのシームレスな統合、H2チップによる高品位なANC(アクティブノイズキャンセリング)、そして独自のPersonalized Audio機能が特徴だ。競合のSony WH-1000XM6やBose QuietComfort Ultraが市場をリードする中、Appleがどこまでプレミアムヘッドホンの定義を塗り替えられるかが注目点となっている。

海外レビューのポイント(Tom’s Guide)

圧倒的な音質——それでもEQがない

Bashford氏のレビューによると、音質の完成度はSony WH-1000XM6やBose QuietComfort Ultraを上回ると評価。「$90高くても、AirPodsの音質の優位性でソニーより選ぶ」と明言している。

ただし、サウンドカスタマイズの自由度は競合製品と比べて大きく見劣りすると指摘する。

機能 AirPods Max 2 Sony WH-1000XM6 Bose QC Ultra

カスタムEQ なし 10バンド 3スライダー+4プリセット

サウンドプリセット 3種類(Balanced/Vocal/Brightness) 多数 4種類

Audiogram連携 あり なし なし

カスタマイズできる内容

レビューによると、AirPods Max 2でできるサウンド調整は以下に限られる。

  • Personalized Audio:耳の形状・聴力特性に合わせたサウンドプロファイルをAudiogramで自動生成
  • 3種のチューニングプリセット:Balanced(フラット)、Vocal(中域強調)、Brightness(高域強調)を「slight」〜「strong」で調整

Bashford氏は「スライダーを自分で動かしたい。内なるDJを解き放ちたい」と皮肉混じりに述べており、Appleの閉じた音響設計思想への不満を率直に表現している。

気になる点

EQ非対応の他にも、バッテリー持続時間の短さと約368g(13オンス)の重量もレビューで言及されている。プレミアム価格帯($549.99)の製品として、これらは看過できない制限と評されている。

Redditで発見された裏技

Bashford氏は、ユーザーが「サードパーティ製Audiogramを偽造することで、事実上のカスタムEQを作り出す」方法をRedditコミュニティが発見したことにも言及。ただし「大半のユーザーにとっては手間がかかりすぎる」と現実的な評価を下している。

日本市場での注目点

  • 価格:米国では$549.99(Amazonで$529.99のセール実績あり)。日本での円換算は8〜9万円台が想定される
  • 競合:Sony WH-1000XM6は国内でも人気が高く、10バンドEQとマルチポイント接続の実用性を重視するユーザーには引き続き有力な選択肢
  • 対象ユーザー:iPhoneやMacとのエコシステム連携を最優先するAppleユーザーには替えの効かない存在になりうる。一方、サウンドを自分好みに細かく調整したいオーディオファンには物足りなさが残る
  • Beats製品との連携:AirPods Pro 3や対応Beatsヘッドホンでも同じサウンドカスタマイズ機能が使える点は、Appleエコシステム全体での一貫性という観点で評価できる

筆者の見解

Tom’s Guideのレビューを読んで率直に感じるのは、「Appleが意図的にEQを閉じている」という点だ。技術的に実装できないはずがない。アーキテクチャ上の判断として「ユーザーに触らせない」という選択をしているのだろう。

Appleの論理は一貫している——「われわれが最適なサウンドを用意する。あとはお任せを」。Personalized AudioとAudiogram連携は、その思想の延長線上にある。これはAppleらしい徹底した哲学であり、一定のユーザーには確かに刺さる。

ただ、プレミアム価格帯の製品として「カスタマイズの自由度がない」という点は、特に音に対してこだわりを持つユーザーに対してはもったいない印象を与える。Bashford氏が言うように、SonyやBoseが10バンドEQや複数プリセットを用意している現状で、$549という価格への納得感をどう作るかはAppleにとって継続的な課題だろう。

日本のユーザーへの示唆としては、「iPhoneやMacとの深い連携を求めるならAirPods Max 2、音響カスタマイズを重視するならSony WH-1000XM6」という構図はほぼ変わっていない。海外レビューの総評でもそのポジショニングは明確だ。自分のユースケースに正直に向き合って選ぶのが、この価格帯では特に重要になる。

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出典: この記事は AirPods Max 2 are my favorite over-ear headphones — but I hate that I can’t create my own EQ の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。