AIエージェントとツール連携の標準規格として急速に普及しつつある MCP(Model Context Protocol)。そのMCPサーバーをAzure Functions上で構築・デプロイするための公式クイックスタートが、TypeScript向けに公開された。単なるサンプルにとどまらず、エンタープライズ向けのOAuth認証やインフラコード(Bicep)まで一式揃っており、本番投入を意識した構成になっている点が注目に値する。

MCPとは何か、なぜ今注目されているのか

MCPは、AIエージェント(LLMホスト)がバックエンドのツールやリソースへ標準化された方法でアクセスするためのプロトコルだ。REST APIに例えるなら「AIエージェント専用のOpenAPI仕様」とも言える。Visual Studio Code Copilot・Claude・ChatGPTといった主要なAIホストがすでに対応しており、一度MCPサーバーを作れば複数のAIクライアントから利用できる汎用性がある。

さらに今回のアップデートで注目したいのが MCP Apps という概念だ。従来のMCPがテキストベースのデータ返却に限られていたのに対し、MCP AppsではインタラクティブなHTML/JSウィジェットをAIホストのUI内に直接レンダリングできる。地図・グラフ・承認フォーム・リアルタイムダッシュボードなど、これまでチャットUIの制約上実現できなかったリッチな体験が可能になる。

Azure Functionsがもたらす3つの価値

1. プロトコル実装の複雑さを隠蔽する

MCPプロトコルを自前で実装しようとすると、SSE(Server-Sent Events)の管理やJSON-RPCのフォーマット、セッション管理など覚えることが多い。Azure Functionsではapp.mcpTool()という1つの関数呼び出しでツール定義が完結する。ハンドラーを書けばプロトコルの詳細は自動で処理される。


出典: この記事は MCP Apps on Azure Functions: Quickstart with TypeScript の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。