英国競争当局がMicrosoftのビジネスソフト市場を調査へ
英国の競争・市場庁(CMA:Competition and Markets Authority)は、Microsoftのビジネスソフトウェア市場における支配的地位について、正式な調査を開始すると発表した。調査の焦点は、Windows、Microsoft Teams、そしてAIアシスタント「Copilot」のライセンス体系と市場慣行にある。
なぜ今、調査が始まるのか
Microsoftはここ数年、企業向けソフトウェア市場で圧倒的なシェアを維持している。特に新型コロナウイルス禍以降、リモートワーク需要の急増に伴いTeamsの利用が爆発的に拡大。さらに生成AIブームを追い風に、Microsoft 365スイートへのCopilot統合も加速している。
CMAはこうした動きが、競合他社にとって不公平な障壁となっている可能性があると判断。バンドル販売や契約上の制約が、Slack(Salesforce傘下)やZoom、Google Workspaceといった競合サービスの参入を阻んでいないか検証する方針だ。
ライセンス体系が問題の核心
欧州では2023年、欧州委員会がMicrosoftに対してTeamsをOffice 365/Microsoft 365から分離販売するよう求め、Microsoftはこれに応じた。英国でも類似の懸念が浮上しており、CMAは特にエンタープライズ向けライセンスの構造が市場競争を歪めていないかを精査する。
Copilotについても、AI機能を既存の企業契約にどのように組み込んでいるかが問われる。企業が特定ベンダーのAIサービスに事実上「ロックイン」される構造になっていないかが焦点となりそうだ。
日本企業への示唆
日本でも多くの企業がMicrosoft 365を基幹インフラとして採用しており、今回の調査結果は無縁ではない。欧州・英国での規制強化がライセンス体系の変更につながれば、グローバル展開する企業のIT調達戦略にも影響が及ぶ可能性がある。
CMAの調査は数か月から1年以上かかる見通しで、最終的な勧告次第ではMicrosoftのライセンス販売方法に大きな変更が求められることになる。テック業界全体が注目する調査となりそうだ。
元記事: UK watchdog to probe Microsoft business software over market dominance concerns