Microsoft の Azure Developer CLI(azd)が2026年3月に7つのリリース(v1.23.7〜v1.23.13)を連続投入し、AIエージェント開発からインフラ管理まで幅広い強化が施された。

AIエージェントをターミナルからエンドツーエンドで操作

最大の目玉は azure.ai.agents 拡張によるAIエージェント対応コマンド群だ。

  • azd ai agent run — エージェントをローカルで起動
  • azd ai agent invoke — ローカルまたは Microsoft Foundry にデプロイ済みのエージェントにメッセージを送信
  • azd ai agent show — コンテナのステータスと健全性を表示
  • azd ai agent monitor — コンテナログをリアルタイムストリーミング

これにより、AIエージェントの開発・テスト・本番デプロイまでの全工程をターミナル一つで完結できる。Microsoft Foundry との統合が前提となっており、Azure AI 基盤に乗る開発者には特に恩恵が大きい。

GitHub Copilot が azd init に統合(プレビュー)

azd init 実行時に「GitHub Copilot でセットアップ(プレビュー)」オプションが追加された。Copilot エージェントがプロジェクトのスキャフォールディングを担い、Model Context Protocol(MCP)サーバーへの同意確認も事前に行う設計となっている。

さらに、コマンド失敗時にはAIによる多段階トラブルシューティングフローが起動。「説明」「ガイダンス」「自動修正」「スキップ」の4段階から選択でき、修正適用後にそのまま失敗コマンドを再実行できる。ターミナルを離れずに問題解決できる点は実務での生産性向上に直結する。

Container App Jobs の直接デプロイ対応

これまで Container Apps のみだったデプロイ対象に、Azure Container App JobsMicrosoft.App/jobs)が加わった。azure.yamlhost: containerapp 設定はそのままで、Bicep テンプレートの内容に応じて自動判別される。追加設定不要で既存ワークフローへの組み込みが容易だ。

デプロイ品質を高めるインフラ強化

ローカルプリフライト検証機能が追加され、Bicep パラメーターや設定の整合性をデプロイ前にローカルで確認できるようになった。Azure へのラウンドトリップなしにパラメーター不足や型の不一致を検出できるため、無駄なデプロイ試行を減らせる。ARM プリフライトを省略したい場合は azd config set provision.preflight off で無効化も可能。

デプロイタイムアウトの個別設定も実装された。azd deploy--timeout フラグまたは azure.yamldeployTimeout フィールドでサービスごとに上限を指定できる。デフォルト 1200 秒を超えるような長時間処理でのタイムアウト失敗を防止できる。

また、リモートビルドのフォールバック機能により、Azure Container Registry(ACR)でのリモートビルドが失敗した場合にローカルの Docker または Podman ビルドへ自動切り替えされる。一時的なレジストリ障害でデプロイ全体が止まるリスクが低減された。

その他の改善

  • JavaScript・TypeScript プロジェクトでの pnpm・yarn の自動検出
  • Microsoft.App/agents リソースのプロビジョニング進捗表示対応

Azure を日常的に使う開発者、特に AIエージェント開発に取り組む方にとって今月のアップデートは見逃せない内容だ。詳細はGitHubの3月リリースディスカッションで確認・フィードバックが可能。


元記事: Azure Developer CLI (azd) – March 2026: Run and Debug AI Agents Locally, GitHub Copilot Integration, & Container App Jobs