AIがフライトチェックインを自動実行——「OpenClaw」が示すエージェントAIの現在地

オーストリア人開発者のPeter Steinbergerが作ったAIエージェントツール「OpenClaw」が、テック業界で大きな話題を呼んでいる。同ツールはフライトのチェックインをはじめとする現実世界のタスクを自律的に実行できる能力を持ち、Steinberger自身が東京行きのフライトに自動チェックインしたというエピソードが広まった。

Steinbergerは3月30日、東京で行われたOpenClaw愛好者向けイベント「ClawCon」に合わせたAFPとのインタビューの中で、「AIはまだ一般ユーザーの日常的なパーソナルアシスタントとは言えないが、今年はエージェントの年だ。この分野の動きはこれからますます加速する」と語った。

使い方はまるで「友人へのメッセージ」

OpenClawは既存のAIモデル(ChatGPTやClaude等)と連携でき、LINEやSlackなどのインスタントメッセージアプリから自然な言葉で指示を出すだけで動作する。ユーザーは友人や同僚に話しかけるような感覚でAIエージェントにタスクを依頼できる点が特徴だ。

世界最大の時価総額企業Nvidiaのジェンスン・ファン(Jensen Huang)CEOは今月、OpenClawをロブスターをシンボルとするこのツールを「次のChatGPT」と絶賛し、業界内での注目度がさらに高まった。

中国での急速な普及——「勢いはある」

特に中国での普及が顕著で、ユーザーはメールの整理、コーディング支援、その他多様なデジタルタスクにOpenClawを積極的に活用している。Steinbergerは「競争という観点で見ると、中国はAI分野で確実に勢いを増している」と述べつつも、「ただし現時点では、中国トップモデルと米国トップモデルの間にはまだ相当な差がある」と付け加えた。

OpenAIにも採用——次世代エージェント開発へ

OpenClawの成功を受け、ChatGPT開発元のOpenAIはSteinbergerを採用。「次世代のパーソナルエージェントを推進する」役割を担うと、OpenAI CEOのSam Altmanが2月に発表している。

Steinbergerは自社ツールが大企業から生まれなかった理由についてこう語る。「大企業は何かが失敗するリスクを恐れすぎて慎重になりすぎる。私はただ、人々に未来を体験させたかった」。

セキュリティリスクも浮上

一方で、AIエージェントが銀行情報などの個人データにアクセスできる仕組みは、サイバーセキュリティ上のリスクも孕む。OpenClawの中国での普及を受け、中国の国家サイバーセキュリティ当局と北京市のIT省庁も公式な注意喚起を発している。

Steinberger自身も「悪用されるリスクは多少心配している。OpenClawのインストールを簡単にしようとするビジネスが増えている中で、ユーザーがAIとは何か、AIがミスを犯す可能性、プロンプトとは何かをしっかり理解してほしい」と懸念を示した。あえてインストールハードルを下げすぎず、ユーザーが仕組みを理解した上で使えるよう設計しているという。

日本での展開にも期待

東京での「ClawCon」イベントには数百人が参加し、ロブスターのコスプレをした参加者も多く見られた。ステージ上でのデモや専門家によるインストール支援も行われ、エージェントAIの実用フェーズへの移行を象徴するイベントとなった。

個人の生産性向上から業務自動化まで、AIエージェントが現実のタスクを肩代わりする時代はすでに始まっている。


元記事: OpenClaw: AI Agent That Executes Real-Life Tasks Like Flight Check-In