エクスプローラーの低速問題、ついに本格対処へ
Microsoftは、Windows品質向上への取り組みの一環として、エクスプローラー(File Explorer)の大幅なパフォーマンス改善を2026年中に実施すると発表した。
「最初の改善ラウンドでは、起動速度の向上、画面のちらつき低減、よりスムーズなナビゲーション、そして日常的なファイル操作の信頼性向上に注力する」とMicrosoftは述べており、最初の改善はWindowsインサイダー向けに2026年4月に提供予定。その後、より根本的な変更が年間を通じて展開される見通しだ。
なぜWindows 11のエクスプローラーは遅いのか
エクスプローラーはWindowsで最も使用頻度の高いコンポーネントの一つだが、Windows 11への移行後も長年にわたってWindows 10より遅い状態が続いてきた。
Microsoftはこれまでも改善を試みてきた。最近の取り組みの一つがバックグラウンドプリロードだ。エクスプローラーをクリック前にメモリに事前ロードしておくことで、見かけ上の起動速度を改善する仕組みで、追加RAMは約35MB程度と軽微だ。
しかしプリロードで解決できるのは「起動速度」のみ。起動後の動作——フォルダ間のナビゲーション、右クリックメニューの表示速度、全体的な応答性——は依然として改善されていない。
右クリックメニューの肥大化が最大の問題
最も体感しやすい問題が右クリックのコンテキストメニューだ。Windows 11では「Copilotに確認」「Clipchampで編集」「Paintで編集」「Photosで編集」などのアクションが一度に表示されようとするため、メニューが一項目ずつ描画される様子が目視できるほど遅い。
比較として、余分な統合機能を省いたWindows 11 LTSCではコンテキストメニューが短く、はるかに高速に表示される。これは肥大化したアドオンこそが遅延の主因であることを示唆している。
インサイダービルドでは「ファイルの管理」グループによるメニュー再編成が試みられており、使用頻度の低いアクションをサブメニューに移すことで縦のスペースを約半分に圧縮している。見た目はすっきりしたものの、アクション自体のロード時間は残存しており、「見た目が改善しても速度は同じ」という評価も出ている。
ハイブリッドUIアーキテクチャという根本的課題
エクスプローラーの本質的な問題として、旧来のWin32基盤の上にモダンUIフレームワークを重ねた「ハイブリッドアーキテクチャ」がある。この二重構造が複雑性とオーバーヘッドを生み出しており、表面的なチューニングだけでは解消しにくい。
Microsoftが「より根本的な変更」と表現している2026年後半の改善では、このアーキテクチャ面への手入れが期待される。長年放置されてきた問題にようやく本腰が入った形だが、実際にWindows 10の快適さに追いつけるかどうか、ユーザーの目は厳しい。
日本でも企業・個人問わず広く使われているWindowsだけに、エクスプローラーの改善は多くのユーザーの作業効率に直結する。2026年4月のインサイダービルドに注目したい。