韓国発AIチップ新興企業、IPO前に4億ドルの大型調達
韓国のファブレス(設計専業)AIチップスタートアップ**Rebellions(リベリオンズ)**は、IPO(新規株式公開)前のファンディングラウンドで4億ドル(約600億円)を調達したと発表した。今回のラウンドはミレアセット・ファイナンシャル・グループと韓国成長ファンド(Korea National Growth Fund)が主導した。
累計調達額は8.5億ドル、評価額は23億ドル超に
2020年設立のRebellionsは、AIチップの設計に特化しながら製造は外部委託するファブレスモデルを採用する。2024年のシリーズBで1億2,400万ドル、2025年11月のシリーズCで2億5,000万ドルを調達しており、今回の追加調達を加えた累計調達額は8億5,000万ドルに達した。なお、直近6カ月だけで6億5,000万ドルを調達したことになる。評価額は約23億4,000万ドル(約3,500億円)と報告されている。
推論特化チップでNvidiaの牙城に迫る
Rebellionsが開発するチップが特徴的なのは、AIインファレンス(推論)、つまりLLM(大規模言語モデル)がユーザーの質問に答える際の演算処理に特化している点だ。LLMが商用サービスとして広く普及するにつれ、学習よりも推論処理の重要性が高まっており、同社CEOのSunghyun Park氏も「AIの競争軸は、実世界でのスケール稼働・電力制約下での動作・明確な経済的リターンに移行しつつある。これは推論インフラへの重心シフトを意味する」と述べている。
NvidiaがGPU市場で圧倒的な地位を築いてきたAI半導体領域では、AWS・Meta・Googleなどの大手テック企業が自社チップ開発に乗り出す一方、Rebellionsのような新興勢力も台頭している。
新製品「RebelRack」「RebelPOD」も同時発表
今回の資金調達と同時に、AIインフラプラットフォームとしてRebelPODとRebelRackの2製品が発表された。RebelPODは本番稼働に対応した推論コンピュートユニット、RebelRackは複数ラックを統合した大規模AI展開向けのスケーラブルクラスターとして位置付けられる。
日本を含むグローバル展開を加速
CBO(最高ビジネス責任者)のMarshall Choy氏は、米国・日本・サウジアラビア・台湾に現地法人を設立したことを明らかにした。米国ではクラウドプロバイダー、政府機関、通信事業者、ネオクラウドとのパートナーシップ構築を進めており、中東やアジアへの展開も積極的に推進している。日本市場への進出が明言されている点は、国内の企業・政府関係者にとっても注目に値する動きといえるだろう。
IPOの時期についてChoy氏はコメントを控えたが、今年後半の上場が計画されているとされており、AI半導体市場の競争激化を象徴する大きなイベントとして注目される。
元記事: AI chip startup Rebellions raises $400 million at $2.3B valuation in pre-IPO round