OpenAI、怒涛の「1日7発表」で業界を揺るがす

2026年3月25日(火)、OpenAIは業界観測者も驚く密度で複数の重大発表を一斉に行った。その中でも最も衝撃的だったのが、ビデオ生成AIアプリ「Sora」の完全終了だ。

Sora、わずか6ヶ月で幕引き

Soraは2025年末にリリース直後にApp Storeトップを獲得した話題作。スタンドアロンアプリとAPIの両方が提供されていたが、OpenAIは今回「ビデオ生成事業からの撤退」を正式に発表した。

これに伴い、2025年12月に締結したとされるディズニーとの10億ドル(約1,500億円)のライセンス契約も解消される。ディズニー側は「OpenAIの判断を尊重する」と丁寧なコメントを発表したが、事実上の破談だ。社内関係者によれば、SoraはAnthropicやGoogleとの競争が激化するなか、膨大なGPUリソースを消費し続けており、経営判断として見切りをつけた模様だ。

Altman CEO、安全部門の直接管理を手放す

Samuel Altman CEOは同日、安全・セキュリティチームの直接監督権限を移譲することをスタッフに伝えた。今後は資金調達、サプライチェーン構築、そして「前例のない規模でのデータセンター建設」に専念するという。

AI安全性を重視してきたOpenAIがCEO主導の安全監督体制を変更することに、業界からは賛否両論の声が上がっている。

新モデル「Spud」の初期開発が完了

Altman氏はさらに、次期主力AIモデルのコードネームが「Spud(スパッド)」であることを明かし、初期開発が完了したと述べた。GPT-4後継にあたるとみられるが、詳細なスペックや公開時期は未発表だ。

100億ドル追加調達と10億ドルの科学研究基金

OpenAIは同日、100億ドル(約1兆5,000億円)規模の追加資金調達を完了したと発表。これにより直近ラウンドの合計は約1,200億ドルに達する。

また、約1,300億ドル相当の株式を保有する「OpenAI Foundation」が正式にリーダーシップ陣容を発表し、AI主導の科学的発見のために今年だけで10億ドル以上を拠出する方針を示した。

Arm、35年ぶりに自社チップを発表

同週にはArm(アーム)も歴史的な発表を行った。チップ設計ライセンスビジネス一本で35年間成長してきた同社が、初めて**自社製データセンター向けチップ「AGI CPU」**を発表。136コア・3nmプロセスで構築されたAI特化プロセッサで、MetaがすでにAGI CPU採用を決定しているという。

今週のAI業界は、まるで数ヶ月分のニュースが凝縮されたかのような激動の一週間となった。OpenAIが短命に終わったSoraとともにディズニーという巨大パートナーとの関係まで清算した背景には、AnthropicやGoogleとの生存競争をにらんだ「選択と集中」戦略があるとみられる。次期モデル「Spud」の動向と、安全監督体制の変更が今後の企業姿勢にどう影響するかが注目される。


元記事: OpenAI acquired Astral and merged everything into a superapp (week of March 21-24)