Microsoft、Windows 11向け「完全ネイティブアプリ」開発を宣言

Microsoftは、Windows 11向けに100%ネイティブなアプリを開発する方針を公式に表明し、その取り組みを主導する新チームを結成すると発表した。

Webアプリ依存がWindowsを蝕んでいた

近年のWindowsは、自社製アプリでさえWebベースの実装に頼る状況が続いていた。動画編集ツール「Clipchamp」、そしてMicrosoftの旗艦AIサービスである「Copilot」や「Microsoft 365 Copilot」もWebアプリとして実装されている。サードパーティでも、WhatsAppがネイティブWinUIフレームワークを捨て、Chromiumベースのウェブアプリに移行するなど、Microsoftの姿勢に追随する動きが広がっていた。

「ネイティブ」を謳いながらも、実態はWebView2コンポーネントを内包するアプリが多く、起動速度や応答性、システムとの統合において本来のネイティブアプリには遠く及ばない状況だった。

新チームを率いるRudy Huyn氏が宣言

Microsoftのパートナーアーキテクトであり、StoreおよびFile Explorerの開発を担当するRudy Huyn氏は、X(旧Twitter)への投稿で新チーム結成を表明した。

「Windows向けアプリを開発する新チームを立ち上げます。プラットフォームの事前知識は不要——大切なのは強力なプロダクト思考と顧客への深いフォーカスです。どのプラットフォームでも素晴らしいアプリを作ってきた人で、意味のあるユーザー体験の構築にこだわりがある方、ぜひ話しましょう」 開発者コミュニティからは「PWA(プログレッシブウェブアプリ)として実装するのか?」という懸念の声も上がったが、Huyn氏はこれを明確に否定。新アプリは「100%ネイティブ」で構築されると断言した。

「100%ネイティブ」の実態はこれから

ただし、「100%」という強い言葉には留意が必要だ。現状、WinUIで実装されているように見えるアプリでも、特定の機能にWebViewを利用しているケースは珍しくない。真のネイティブアプリとは、WebViewを一切使わずWinUIフレームワークで完全に実装されたものを指す。

Microsoftが具体的にどのアプリを刷新するのか、既存のWebベースアプリをネイティブUIに移行するかどうかについても、現時点では明らかにされていない。また、MetaやWhatsAppなどのサードパーティをどう巻き込むか——Microsoft Storeのガイドラインを厳格化するのかも注目点だ。

今回の取り組みは、Windows 11のパフォーマンス改善やスタートメニューのWinUI移行、タスクバーのリサイズ対応といったOS本体の刷新計画と並行して進められており、Microsoftが本腰を入れてWindowsの体験を立て直そうとしている姿勢が伝わってくる。2020年のPanos Panay体制での「Windowsを好きになってほしい」という約束が形だけで終わった教訓を活かせるか、業界全体が注目している。


元記事: Microsoft plans to build 100% native apps for Windows 11, as web apps ruin the OS experience