Microsoft、Azure Sphereの終了を正式発表
Microsoftは、IoTデバイス向けセキュリティプラットフォーム「Azure Sphere」を2031年7月31日をもって終了すると正式に発表した。同日をもってすべてのサービスが停止される。
終了するサービスの範囲
今回の終了(リタイアメント)によって停止するのは以下のとおり:
- OSおよびセキュリティアップデートの配信停止
- DAA(Device Authentication and Attestation)シリコン証明書の新規発行停止
- MT3620 MCUの延長サポート終了
- クラウドサービス全般(デバイス管理ポータル、テレメトリ収集など)
2031年7月31日以降、既存デバイスはセキュリティパッチを受け取れなくなるため、IoTデバイスの性質上、長期稼働を前提とした製品では特に早期の対応計画が求められる。
Azure Sphereとは
Azure Sphereは2018年にMicrosoftが発表したIoTセキュリティプラットフォームで、独自設計のMCU(MT3620)、Linuxベースの専用OS、クラウドベースのセキュリティサービスの3層構造で構成される。組み込み機器にエンタープライズレベルのセキュリティをもたらすというコンセプトで、製造業や産業用途を中心に採用が進んでいた。
日本でも製造業のDX推進の文脈でAzure Sphereを採用した事例があり、影響を受けるユーザーは少なくないとみられる。
移行に向けた対応
Microsoftは移行先の案内とQ&Aを公式ブログで公開している。終了まで約5年の猶予があるものの、IoT機器は製品サイクルが長く、設計・認証・量産のリードタイムも考慮すると、今から移行計画を立てることが強く推奨される。
代替候補としては、Microsoft Azure IoT HubやAzure IoT Centralといった既存のAzure IoTサービス群への移行、あるいはArmのPSA Certified対応チップやNXP・STMicroelectronicsなどのセキュアエレメント搭載MCUへの切り替えが考えられる。
まとめ
2031年という期限は一見遠く感じるが、組み込み製品の開発・保守サイクルを考えると実質的な猶予は長くない。Azure Sphereを採用している開発者・製品担当者は、公式Q&Aを確認しつつ、早期に移行ロードマップの策定に着手することを検討すべきだろう。
元記事: Azure Sphere is Retiring in 2031 - What you need to know