Microsoft 365が2026年7月から大幅値上げ——4年ぶりの価格改定
Microsoftは2026年3月24日、Microsoft 365の商用プランを同年7月1日より値上げすると正式発表した。2022年3月以来4年ぶりとなる大規模な価格改定で、主要エンタープライズプランが8〜15%引き上げられる。
値上げの詳細
今回の改定で最も影響が大きいのはMicrosoft 365 E5で、月額ユーザー単価が57ドルから約65.55ドル(約15%増)へ上昇する。E3は36ドルから39.60ドル(10%増)、Business Premiumは22ドルから**24.64ドル(12%増)**となる。
Microsoftは値上げの理由として、2022年以降に追加された1,400以上の新機能——Copilotを活用したAI機能の拡充、セキュリティ強化、コラボレーション改善——を挙げており、「消費者物価指数の上昇率よりも低い水準」と説明している。
日本の企業にとっては円安の影響もあり、円建てコストはさらに増加する可能性がある。国内では大手企業から中小企業まで幅広くMicrosoft 365を導入しているため、IT予算への影響は避けられないだろう。
新設「セキュリティ + Intune」バンドル
価格改定と同時に、Microsoft Security + IntuneバンドルがE3のアドオンとして提供開始される。このバンドルは以下の製品をセットにしたもの。
- Microsoft Defender for Endpoint
- Microsoft Defender for Office 365
- Microsoft Purview Information Protection
- Microsoft Intune(エンドポイント管理)
これまでこれらの機能を一括して利用するにはE5へのアップグレードが必要だったが、新バンドルによりE3ユーザーでも高度なセキュリティスタックを利用できるようになる。業界アナリストの試算によれば月額12〜15ドル程度で提供される見込みで、組織全体をE5に移行するよりも30〜40%程度コストを抑えられる可能性がある。
TeamsをM365から切り離す新ライセンス体系
EUの規制当局からの圧力や企業からの要望を受け、MicrosoftはTeamsを一部エンタープライズシナリオにおいてMicrosoft 365から分離する新SKUを導入する。
- Teams Enterprise:高度な会議機能、ウェビナー、管理ツール
- Teams Premium:AIによるインテリジェント要約、ミーティングコーチング、高度な分析
既存のMicrosoft 365サブスクリプション経由での利用は継続可能。Google WorkspaceなどのライバルSuiteを使いながらTeamsだけを活用したい企業向けの選択肢が増える形だ。
企業予算への影響
1,000ユーザー規模でE3を利用している組織の場合、10%の値上げで**年間約43,200ドル(約650万円)**の追加コストが発生する試算だ。E5ユーザーでは年間100,000ドル超の増加となる。
改定は7月1日から適用されるが、マルチイヤー契約を結んでいる企業は次回更新時まで現行価格が維持される。予算策定の見直しを迫られる企業は、契約更新時期の確認と早めの対応計画が求められる。