AzureネットワーキングがAI時代に本格対応
Microsoftは、Azureネットワークサービスに関する大規模なアップデートを発表した。AIワークロードの急増に対応するためのインフラ強化を中心に、セキュリティ・高可用性・スケーラビリティの各領域で複数の新機能が追加・強化されている。
AIを中核に据えたネットワーク基盤
Azureのグローバルネットワークは、60以上のAIリージョン、80万キロメートル超の光ファイバー網、4ペタビット/秒(Pbps)超のWAN帯域幅を誇る。さらに、総容量はFY24末から3倍に拡張され、現在は18 Pbpsに達しているという。
AIトレーニング向けには、InfiniBandと高速Ethernetを組み合わせた超低レイテンシ・無損失のデータ転送アーキテクチャを採用。分散GPUプール間の通信には専用のAI WAN(Wide Area Network)を用意し、Azure Private LinkとDPU(Data Processing Unit)ベースのVNetアプライアンスで安全性と高性能を両立させている。
日本でも大規模なAIシステムをAzure上で構築する企業が増加しており、このような基盤強化はGPUクラスタを用いた分散学習や大規模推論サービスの安定運用に直結する。
ゾーン冗長NAT Gateway V2がプレビュー公開
高可用性の面では、Standard NAT Gateway V2のパブリックプレビューが発表された。ゾーン冗長アーキテクチャを追加費用なしで利用できるのが特徴で、単一ゾーン障害時にはトラフィックが自動的に他のゾーンへ分散される。
主なスペックは以下の通り:
- 総スループット: 100 Gbps
- パケット処理性能: 1,000万パケット/秒
- IPv6ネイティブ対応
- フローログによるトラフィック可視化
これまでExpressRoute GatewayやVPN Gateway、Application GatewayでゾーンレジリエントSKUが提供されてきたが、NAT Gatewayもその列に加わる形となる。
DNSセキュリティポリシーがGA(一般提供開始)
セキュリティ強化として、DNS Security Policy with Threat Intelligenceが一般提供(GA)に移行した。継続的に更新される脅威インテリジェンスフィードと連携し、悪意のあるドメインへの通信を自動的に監視・ブロックする機能だ。
Microsoftが掲げる「Secure Future Initiative(セキュアな未来への取り組み)」の一環として位置づけられており、ゼロトラストネットワーク設計を推進する企業にとって実用性の高い機能といえる。
クラウドネイティブ時代のネットワーク戦略
今回のアップデート群は、オンプレミスからのクラウド移行、Kubernetes環境向けの高度なコンテナネットワーキング、ExpressRouteによるプライベート接続など、企業のクラウド活用ステージを問わず適用できる内容が揃っている。
Azureネットワークは単なる「接続インフラ」を超え、AIワークロードを支えるインテリジェントな基盤として進化し続けている。国内でAzureを活用するエンジニアは、これらの新機能を積極的に評価・検討する価値があるだろう。
元記事: Azure Networking Updates: Secure, Scalable, and AI-Optimized