Microsoftは2026年3月のAzure SDKリリースを公開した。毎月定期的にリリースされるAzure SDKだが、今月は特にRust向けCosmos DBクライアントの大幅な機能追加・API変更と、Azure AI Content UnderstandingのGA(一般提供開始)が注目ポイントとなっている。

Azure Identity 1.19.0 for .NET — 証明書ストアへの直接参照に対応

.NET向けAzure IdentityライブラリがClientCertificateCredentialにおいて、証明書ファイルパスの代わりにcert:/StoreLocation/StoreName/Thumbprint形式でのプラットフォーム証明書ストア参照をサポートした。

たとえばWindowsの証明書ストアやmacOSのキーチェーンに保存された証明書を、ディスク上のファイルなしに直接参照できる。cert:/CurrentUser/My/E661583E8FABEF4C0BEF694CBC41C28FB81CD870のような形式で指定するだけでよい。エンタープライズ環境での証明書管理が大幅に簡素化される変更だ。

Cosmos DB 0.31.0 for Rust — 破壊的変更を伴う大型アップデート

Rust向けAzure Cosmos DBクライアントライブラリが大きく進化した。主な新機能は以下のとおり。

  • マルチリージョン書き込みの基本サポート:グローバル分散アプリケーション構築に向けた重要な一歩
  • トランザクションバッチサポート:同一パーティションキー内で複数操作をアトミックに実行可能
  • フォルトインジェクションサポート:障害シナリオのテストが可能に

APIも刷新され、CosmosClientBuilderによる新しいクライアント構築APIが導入。クエリメソッドはStream<Item = Result<T>>を実装するFeedItemIterator<T>を返すようになった。なおwasm32-unknown-unknownターゲットのサポートはRust SDK全体で削除されている点に注意が必要だ。

Azure AI Content Understanding 1.0.0 — .NET/JavaScript/Python でGA

Azure AIのドキュメント・音声・動画コンテンツ解析ライブラリ「Content Understanding」が.NET、JavaScript、Pythonの3言語で正式版(GA)に到達した。ContentUnderstandingClientを通じてアナライザーの作成・管理・設定が行える。

.NET版ではContentFieldサブクラスへの強い型付きValueプロパティ、グラウンディングソース文字列の型安全なパース用ContentSource階層、コンテンツ範囲指定用のContentRange値型と静的ファクトリメソッドが追加されている。

その他の安定版初回リリース

今月の安定版初回リリース(Initial stable releases)には以下が含まれる。

  • Voice Live 1.0.0(.NET)
  • Provisioning – Network 1.0.0(.NET)
  • Resource Management – Disconnected Operations 1.0.0(.NET/Go/JavaScript)
  • Resource Management – Service Fabric Managed Clusters 1.0.0(Go/JavaScript)
  • Resource Management – Artifact Signing 1.0.0(JavaScript/Python)

ベータ版では.NET向けCDNプロビジョニング、Go向けArtifact Signing・ドメイン・証明書登録管理など多数の初回ベータリリースも含まれている。

詳細なリリースノートは.NET、Java、JavaScript/TypeScript、Python、Go、Rust、C++、iOSの各言語ごとに公開されている。


元記事: Azure SDK Release (March 2026)