AI規制なきデータセンター建設ラッシュに「待った」

アメリカのバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)とアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)下院議員(ニューヨーク州)は2026年3月25日、ピーク電力負荷が20メガワット超の新規データセンター建設を一時停止させる法案を上下両院にそれぞれ提出した。停止の解除条件は、議会による包括的AI規制の成立とされている。

法案の背景:AI開発の急加速と社会的懸念

アメリカ国内ではAIブームを背景に大規模データセンターの建設計画が相次いでおり、電力消費・用水・地域環境への影響を懸念する声が高まっていた。

サンダース議員の事務所は、AI業界のリーダー自身がAIの危険性を認めている点を強調している。テスラ・xAI創業者のイーロン・マスク氏(「AIは核兵器よりはるかに危険。なぜ規制監督がないのか」)、Google DeepMindのデミス・ハサビスCEO、AnthropicのダリオアモデイCEO、OpenAIのサム・アルトマンCEO、そしてノーベル賞受賞者のジェフリー・ヒントン氏らの発言が引用されている。

2026年3月のピュー・リサーチ・センターの調査では、アメリカ人の過半数がAIに対して「期待より不安が大きい」と回答。「期待が不安を上回る」と答えたのはわずか10%にとどまった。

法案が求める主な規制内容

法案には、データセンター建設の一時停止にとどまらず、広範なAI規制の枠組みが盛り込まれている。

  • AIモデルのリリース前審査・認証制度の導入
  • AI起因の雇用喪失に対する労働者保護
  • データインフラの環境負荷制限
  • データセンター建設における組合労働者の雇用義務化
  • 同等の規制を持たない国への先端半導体の輸出禁止

最後の項目は事実上、現時点でほぼすべての国への輸出規制につながる可能性がある。

成立への道のりは険しい

この法案はAI規制の「たたき台」として位置づけられるが、成立のハードルは高い。AI企業による巨額のロビー活動に加え、「中国とのAI覇権争いに負ける」という懸念が議会内に根強くあるためだ。

日本でも経済産業省が生成AIのエネルギー消費問題を議論しており、データセンターの電力需要増大は国際的な政策課題となっている。アメリカでの立法動向は、今後の国際的なAIガバナンスの方向性にも影響を与える可能性がある。


元記事: Bernie Sanders and AOC propose a ban on data center construction