NvidiaのジェンスンCEO「AGIはもう達成された」——しかしすぐに発言を修正
Nvidia(エヌビディア)のCEOであるジェンスン・ファン(Jensen Huang)氏が、3月23日に公開されたLex Fridman(レックス・フリードマン)ポッドキャストの中で「私たちはすでにAGI(汎用人工知能)を達成したと思う」と発言し、AI業界に波紋を呼んでいる。
AGIとは何か
AGI(Artificial General Intelligence/汎用人工知能)とは、人間と同等かそれを超える知的能力を持つAIを指す用語だが、その定義は専門家の間でも統一されていない。近年、OpenAIのサム・アルトマン氏やメタのマーク・ザッカーバーグ氏といったテック企業トップたちが「AGI」という表現を避け、独自の用語を作り出す動きが見られる。過度に期待感を煽るイメージを払拭したい意図があるとみられるが、実質的に意味するところはAGIと大差ないとの指摘も多い。
AGIはビジネス面でも重要な意味を持ち、OpenAIとMicrosoftの契約においても「AGI達成」の定義をめぐって多額の資金が絡む条項が存在すると報じられている。
「AGIは今だ」——ファン氏の発言
ポッドキャストのホストであるフリードマン氏は、AGIを「10億ドル以上の価値を持つテック企業を起業・成長・経営できるAIシステム」と定義した上で、ファン氏に「AGI実現まであと何年か——5年、10年、15年、20年?」と問いかけた。
ファン氏はこれに対し、「今だと思う。AGIはもう達成されていると思う」と答えた。
フリードマン氏が「その発言で多くの人が興奮するだろう」と返すと、ファン氏はオープンソースのAIエージェントプラットフォーム「OpenClaw」の急速な普及を例に挙げ、「人々が個々のAIエージェントを様々な用途に使い始めている。デジタルインフルエンサーや、たとえばたまごっちのようなソーシャルアプリが突然ヒットしても驚かない」とAIエージェント活用の広がりを強調した。
直後に発言を修正
ただし、ファン氏は同じ場でこの発言を一部撤回するような発言も行っている。「多くの人が数か月使って、それきりになることもある。10万のエージェントがNvidiaのような会社を作り上げる確率はゼロパーセントだ」と述べ、AGI達成の主張を慎重に言い直した形だ。
AGIをめぐる議論は技術的・哲学的に根深く、明確な定義なしには「達成」を語ること自体が難しい。ファン氏の発言は業界の楽観論を体現する一方で、その曖昧さも浮き彫りにしている。日本のAI研究者や産業界においても、AGI議論は今後ますます重要な論点になってきそうだ。
元記事: Nvidia CEO Jensen Huang says ‘I think we’ve achieved AGI’