Microsoftは2026年3月の月例セキュリティ更新(Patch Tuesday)を公開し、83件のCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)に対処した。このうち8件がCritical(緊急)、75件がImportant(重要)と評価されている。
今月のパッチ概要
脆弱性の種類別では、**特権昇格(EoP)が全体の55.4%**を占め最多。続いてリモートコード実行(RCE)が20.5%となっている。対象製品は.NET、ASP.NET Core、Active Directory Domain Services、Azure各種サービス、Microsoft Office/Excel/SharePoint、SQL Server、Windows Kernel、Windows SMBサーバーなど広範にわたる。
注目の脆弱性
SMBサーバーの特権昇格(CVE-2026-26128)
今月最も警戒が必要な脆弱性のひとつ。Windowsのファイル共有プロトコルであるSMB(Server Message Block)サーバーに存在し、ネットワーク経由でSYSTEM権限を取得できる可能性がある。社内ネットワーク上の攻撃者に悪用された場合、ドメイン全体への侵害につながるリスクがある。
Microsoft Office RCE(CVE-2026-26110 / CVE-2026-26113)
Microsoft Officeに存在するリモートコード実行の脆弱性で、Critical評価。細工されたOfficeファイルを開くだけで攻撃者がコードを実行できる可能性があり、標的型攻撃での悪用が懸念される。
Excel 情報漏洩(CVE-2026-26144)
Microsoft Excel の情報漏洩脆弱性。Critical評価を受けており、悪意のあるスプレッドシートを通じて機密情報が外部に流出するリスクがある。
SQL Server 特権昇格(CVE-2026-21262 / CVE-2026-26115 / CVE-2026-26116)
3件のSQL Server EoP脆弱性。いずれもCVSSv3スコアは8.8(Important)。悪用に成功した場合、攻撃者はSQL sysadmin(システム管理者)権限を取得できる。CVE-2026-21262はパッチ公開前にゼロデイとして公開されており、早急な対応が推奨される。
.NET サービス拒否(CVE-2026-26127)
.NET 9.0および10.0に影響するDoS(サービス拒否)脆弱性。Windows、macOS、Linuxの全プラットフォームが対象で、CVSSv3スコアは7.5(Important)。こちらもパッチ公開前に情報が公開されている。
Windows Kernel 特権昇格(CVE-2026-24287 / CVE-2026-24289 / CVE-2026-26132)
Windowsカーネルの3件のEoP脆弱性。いずれもCVSSv3スコア7.8(Important)で、ローカルの認証済み攻撃者がSYSTEM権限を取得できる。CVE-2026-24289とCVE-2026-26132はMicrosoftが「悪用される可能性が高い」と評価しており、優先的な適用が望ましい。
対応のポイント
企業のシステム管理者は、特にSMBサーバーやSQL Server、Microsoft Officeを使用している環境で早急なパッチ適用を検討すべきだ。ゼロデイとして公開済みのCVE-2026-21262や、.NETのCVE-2026-26127については情報がすでに出回っているため、攻撃者が悪用コードを開発しやすい状況にある点にも注意が必要だ。
Windows Updateの自動更新が有効な環境では順次適用が進むが、SQL ServerやAzure関連のコンポーネントは手動での確認・適用が必要なケースもある。WSUS(Windows Server Update Services)やMicrosoft Endpoint Managerを利用している組織は、展開状況を速やかに確認することを推奨する。
元記事: Microsoft’s March 2026 Patch Tuesday Addresses 83 CVEs (CVE-2026-21262, CVE-2026-26127)