DeepSeek V4、マルチモーダルAIとして間もなく登場か

中国のAI企業DeepSeekが開発する次世代モデル「V4」が、テキスト・画像・動画生成を単一アーキテクチャに統合したマルチモーダルAIシステムとして登場する見通しだ。フィナンシャル・タイムズなど複数の信頼性の高い情報源がその詳細を伝えている。

コーディング特化からマルチモーダルへ方針転換

2026年2月に明らかになった当初の情報では、V4はコーディング性能に特化したモデルとされていた。700億パラメータ超のアーキテクチャ、SWE-benchでの記録更新を狙った設計、Engramメモリによる最大100万トークンのコンテキストウィンドウ——これらが主な特徴として語られていた。

しかし3月に入って状況は大きく変わった。V4は今やコーディング専用モデルではなく、テキスト・画像・動画をひとつのモデルで生成できる統合マルチモーダルシステムとして位置づけられている。これはOpenAIの「GPT-4o」やGoogleの「Gemini 3」シリーズと真っ向から競合する設計だ。

オープンソースで公開されれば業界に激震

DeepSeek V4が注目される最大の理由は、MIT または Apache 2.0 ライセンスでのオープンウェイト公開が見込まれている点だ。もし実現すれば、画像・動画生成まで含む史上最強クラスのオープンソースマルチモーダル基盤モデルとなる。

OpenAIの「Sora」、GoogleのVeo 3、Runwayの「Gen-3」といった動画生成AIはいずれもクローズドなプロプライエタリシステムだ。これらに対抗できるオープンウェイトの選択肢が登場すれば、研究者や開発者はクローズドAPIへの依存なしにマルチモーダルアプリケーションを構築できるようになる。

統合アーキテクチャの技術的優位性

DeepSeek V4のマルチモーダル設計は、テキスト・画像・動画を別々のモデルに分離せず、単一フレームワーク内で統合的に扱う点が特徴だ。Gemini 3 Proなどが各モダリティに個別パイプラインを持つのとは異なるアプローチを採る。

この統合型設計の利点は「一貫性(コヒーレンス)」にある。テキストに添える画像を生成する際も、生成した動画にナレーションをつける際も、各モダリティが独立して動くのではなく共有された意味理解をもとに連携して動作する

基盤技術として、2026年1月に発表されたアーキテクチャ革新——静的知識をシステムDRAMにオフロードしてスループット低下を3%未満に抑える「Engramメモリ」と、兆パラメータ規模の学習安定化を図る「Manifold制約ハイパーコネクション」——が引き続き採用される見込みだ。

ソフトローンチ戦略の可能性も

3月9日には「V4 Lite」が静かにリリースされたとの情報もあり、段階的なロールアウト戦略が取られている可能性がある。内部ベンチマークでは長文コーディングタスクでClaudeやChatGPT(GPT-4系)を上回る結果が出ているとも報告されているが、公式確認はまだ取れていない。

正式リリースの時期や最終的なスペックについては、引き続き動向を注視する必要がある。


元記事: DeepSeek V4 Multimodal Launch Imminent: Text, Image, and Video in One Open Model