AKS、Ubuntu 24.04 GAとブルーグリーンアップグレードで運用の幅が広がる
Microsoftは2026年3月、Azure Kubernetes Service(AKS)において複数の重要なアップデートを発表した。なかでも注目は、Ubuntu 24.04のGA(一般提供)昇格と、ブルーグリーン方式のノードプールアップグレードのパブリックプレビュー開始の2点だ。
Ubuntu 24.04がKubernetes v1.32以降の標準ノードOSに
Ubuntu 24.04(Noble Numbat)が、Kubernetes v1.32以降を使用するAKSクラスターの標準ノードOSとして正式採用された。主な改善点は以下のとおり。
- Containerd 2.0同梱: コンテナランタイムが最新世代に刷新され、起動速度と安定性が向上
- 起動時間の短縮: ノードの起動プロセスが最適化され、スケールアウト時のレイテンシが改善
- カーネルハードニング強化: セキュリティ設定がデフォルトで強化されており、本番環境への適用が安心しやすくなった
Ubuntu 20.04から22.04への移行でつまずいた経験を持つ組織にとっても、今回は標準パスとして提供されるため、スムーズな移行が期待できる。
ブルーグリーンアップグレードで無停止運用が現実的に
これまでノードプールのアップグレード中は断続的なワークロード影響が生じることがあったが、ブルーグリーン方式の導入によって状況が大きく変わる。
ブルーグリーンアップグレードでは、既存のノードプール(Blue)を稼働させたまま、新しいバージョンのノードプール(Green)を並行して立ち上げ、切り替えを行う。移行が完了するまでBlue側はトラフィックを受け持ち続けるため、アップグレード中のダウンタイムをほぼゼロに抑えられる。
この手法は、金融・医療・ECなど可用性要件の高い本番環境での採用が特に期待される。現在はパブリックプレビュー段階であり、正式採用前に検証環境での試験を推奨する。
その他の主なアップデート
- Kubernetes新パッチ版の提供開始: v1.32.11、v1.33.7、v1.34.3が利用可能に
- KubernetesLTS版v1.28の非推奨化: サポート対象バージョンへの移行を早急に検討すること
- Azure Linux、GPU対応を拡充: NVIDIA A100・H100・H200 VMもサポート対象に
- OpenTelemetry(OTLP gRPC)のパブリックプレビュー: Azure Monitorとの連携がより柔軟に
- Ciliumをv1.18.6に更新: CVE-2025-64715およびCVE-2026-26963に対処
- FlatcarコンテナLinuxの廃止予告: 2026年6月8日にプレビュー終了。移行計画が必要
まとめ
AKSはUbuntu 24.04の正式採用でセキュリティと性能の基盤を強化しつつ、ブルーグリーンアップグレードで運用時の柔軟性を大幅に高めた。Kubernetes v1.28のEOLも控えており、クラスターのバージョン管理を早めに見直しておきたいタイミングだ。
元記事: Azure Kubernetes Service: Ubuntu 24.04 GA and Blue-Green Node Pool Upgrade Preview