AMD ドライバー26.6.2でFSR 4.1をRDNA 3(RX 7000シリーズ)に解放——AI超解像が前世代GPUに広がる
AMDは2026年6月、グラフィックドライバー「AMD Software: Adrenalin 26.6.2」をリリースし、前世代GPU「Radeon RX 7000シリーズ(RDNA 3アーキテクチャ)」へのAI機械学習ベースのアップスケーリング技術「FSR 4.1」サポートを追加した。かねてより約束していた旧世代への展開が、ついに実現した形だ。 FSR 4.1とは何か FidelityFX Super Resolution(FSR)は、AMDが開発するオープンなアップスケーリング技術だ。低解像度でレンダリングしたゲーム映像を高品質に拡大表示することで、GPUの描画負荷を下げながら高解像度の映像体験を実現する。 FSR 4.0は昨年登場したRDNA 4アーキテクチャ(Radeon RX 9000シリーズ)とともにリリースされた。従来のFSR 3.xが時間的(テンポラル)アルゴリズムを主体としていたのに対し、FSR 4世代は機械学習モデルを活用した新世代の超解像技術に刷新されており、特にテクスチャの再構成精度で大きな改善を果たしている。 RDNA 3への展開——約束の履行 FSR 4.0リリース当初は「RDNA 4専用」という制約があり、既存のRX 7000シリーズオーナーは最新の恩恵を受けられなかった。AMDはこれに対してRDNA 3への対応を約束しており、ドライバー26.6.2がその約束の履行となる。 FSR 4.1はFSR 4.0の機械学習コアを維持しつつ、RDNA 3のハードウェア特性に合わせて最適化されたバージョンと位置づけられており、RX 7900 XTXをはじめとするRX 7000シリーズ全般が対象だ。 主な世代間の違いを整理すると次のとおり。 機能 FSR 3.x FSR 4.1 アップスケーリング方式 テンポラル(時間的) 機械学習(AI推論) 最低対応GPU RDNA 2以降 RDNA 3以降 フレーム生成 対応(FSR 3.0以降) 対応 画質傾向 良好 より高精度・高解像感 ドライバーアップデート自体はAMD Software: Adrenalinの更新機能またはAMD公式サイトから入手できる。FSR 4.1対応ゲームでは、グラフィック設定内に新たなアップスケーリングオプションとして表示されるため、特別な追加インストールは不要だ。 実務への影響 一見ゲーマー向けのニュースに思えるが、映像処理やGPUコンピューティングを扱うエンジニアにも無関係ではない。 ゲーム開発者・グラフィックエンジニア向け: FSR 4.1はDirectX 12およびVulkan環境向けにオープンなAPIとして提供されている。NVIDIAのDLSS 4が専用ハードウェア(Tensor Core)を必要とするのに対し、FSRはドライバーアップデートだけで旧世代ハードにも展開できる柔軟性が強みだ。ゲームエンジンへの実装コストも比較的低く、UnityやUnreal Engineの対応プラグインも整備されている。 IT管理者・調達担当者向け: 企業内でRX 7000シリーズを運用している場合、追加コストなしで映像処理ワークロードの品質向上を図れる可能性がある。ただし、本番環境ではドライバー更新に伴う互換性テストを必ず行うこと。AMDのメジャーバージョンアップは過去に一部の業務アプリとの相性問題が報告されており、数日間コミュニティのフィードバックを確認してから適用するのが現実的な判断だ。 ...